【第53回】学科一般・問題6(2020年1月試験)
大気中の降水の形成におけるエーロゾルの働きについて述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。 (a) 水溶性のエーロゾルを核として水蒸気が凝結して形成された微小水滴に対する飽和水蒸気圧は,同じ大きさの純粋な水のみの水滴に対する飽和水蒸気圧よりも高い。 (b) 周囲の大気の相対湿度が高くなると,最初に純粋な水からできた雲粒が形成され,これに水溶性のエーロゾルが取り込まれる。 (c) 過飽和の雲の中では,エーロゾルを核とする凝結過程のみによって1時間程度で降 ...
【第53回】学科一般・問題5(2020年1月試験)
図は,地点A,B,Cにおける地上(0m)から高度1000mまでの気温の鉛直分布を示している。各地点の高度1000mの気圧がいずれも等しいとき,地点A,B,Cにおける地上の気圧PA,PB,PCの大小関係として正しいものを,下記の①~⑤の中から1 つ選べ。ただし,いずれの地点でも大気は静力学平衡の状態にあり,重力加速度は一定で水蒸気の影響を無視できるとする。また,図中の点T1,T2は,高度1000m及び高度H(m)での気温(各図とも同じ値)を示している。 ① PA=PB=PC ② PA<PB<PC ③ PA= ...
【第53回】学科一般・問題4(2020年1月試験)
大気中の粒子による電磁波のレイリー散乱とミー散乱を比較した表の空欄(a)~(c)に入る適切な語句の組み合わせを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。 (a) (b) (c) ① 小さい 長い 雲粒による太陽光の散乱 ② 小さい 短い 空気分子による太陽光の散乱 ③ 小さい 短い 雲粒による太陽光の散乱 ④ 大きい 短い 空気分子による太陽光の散乱 ⑤ 大きい 長い 雲粒による太陽光の散乱 << 前の問題 次の問題 >>
【第53回】学科一般・問題3(2020年1月試験)
東西風の高度-緯度断面図について述べた次の文章の空欄(a)~(c)に入る適切な語句の組み合わせを,下記の①~⑤の中から1 つ選べ。 図は,経度平均した(a)における東西風の高度-緯度断面図である。この図に対応する温度風の関係から,南半球中緯度の高度20~60kmでは南極側ほど(bであると推測される。この高度で南極側ほど(b)であるのは,(c)が大きいためである。 (a) (b) (c) ① 1月 高温 オゾンの紫外線吸収に伴う加熱 ② 1月 高温 下降流による断熱昇温 ③ 1月 低温 上昇流による断 ...
【第53回】学科一般・問題2(2020年1月試験)
大気中の空気塊の温位と相当温位について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。なお,空気塊の温度,温位,相当温位の単位はKであり,温位及び相当温位の基準気圧は1000hPaである。 (a) 乾燥空気塊の温位は,どのような気圧においてもその空気塊の温度よりも高い。 (b) 湿潤空気塊の温位は,その空気塊の相当温位よりも常に低い。 (c) 乾燥空気塊が断熱的に上昇するとき,その空気塊の温位は高度にかかわらず一定である。 (d) 飽和した空気塊が水蒸気を凝結 ...
【第53回】学科一般・問題1(2020年1月試験)
大気中の水蒸気の密度をρv,水蒸気を除いた空気(乾燥空気)の密度をρdとするとき,ρdとρvの鉛直分布について述べた次の文(a)~(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。 (a) ρdは,対流圏内では鉛直方向にほぼ一定とみなすことができる。 (b) 500hPa等圧面上のρdは,熱帯域の方が極域よりも小さい傾向がある。 (c) ρvは大気下層の方が大きく,地表付近ではρvはρdよりも大きい。 (a)(b)(c) ①正誤正 ②正誤誤 ③誤正正 ④誤正誤 ⑤誤誤誤 ...
温度移流【大気の力学】
温度移流 風が吹いて温度が変化するとき、温度移流があるといいます。 例えば「木枯らし」は冷たい風が吹くので、寒気移流です。 温度移流は、等温線を横切るように吹いています。 高温側→低温側は、暖かい空気を運ぶので暖気移流です。 低温側→低温側は、冷たい空気を運ぶので寒気移流です。 温度風と温度移流 「下層の風」と「上層の風」を考えます。 2つの風の差を温度風といいます。 「下層の風」から「上層の風」への変化を見たとき、風向が時計回りに変化した場合は暖気移流です。 風向が反時計回りに変化した場合は寒気移流です ...
温度風【大気の力学】
温度風 「地衡風の鉛直方向の風向・風速の違い」を温度風(=鉛直シア)といいます。 温度風は実際に吹いている風ではなく、2地点の風ベクトルの差です。 地球の空気を考えると、赤道付近は暖かく、北極付近は冷たいです。 横から見た場合、暖かい空気は膨張するので、等圧面の高度が高くなります。 一方、冷たい空気は圧縮するので、等圧面の高度は低くなります。 よって暖気と寒気の間には気圧傾度力が生じます。 気圧傾度力が生じると、地衡風が吹きます。 気圧傾度力は上空ほど大きくなるため、地衡風も上空ほど大きいです。 ためしに ...
摩擦力【大気の力学】
摩擦力 地衡風は上空で成り立つ式です。 地上付近で風が吹くと、摩擦が生じます。 摩擦力は風向きと反対方向にはたらくため、風の向きと風力は変化します。 地衡風平衡で風が吹いている場合、コリオリ力によって風が曲げられているときに、摩擦力がはたらきます。 そして等圧線と平行になる前に、気圧傾度力・コリオリ力・摩擦力がつり合います。 そのため地上付近では、等圧線と平行ではなく、少し斜めに風が吹きます。 摩擦力がはたらくとき、実際に吹く風は等圧線に対して少し斜めになり、高気圧から低気圧に向かって吹きます
傾度風【大気の力学】
傾度風 地衡風平衡に遠心力の影響を加味した力を傾度風といいます。 地衡風は、等圧線がまっすぐのときに吹く風です。 低気圧や台風のように等圧線がカーブする場合は、遠心力の影響も加味する必要があります。 遠心力がどのように影響するかは、高気圧と低気圧の場合で異なります。 高気圧の場合 気圧傾度力:中心 → 外側(高気圧から低気圧に向かって働く力だから) コリオリ力:外側 → 中心(気圧傾度力とバランスするように働く力だから) 遠心力:中心 → 外側(円の外側に向かって働く力だから) 3つの力がバランスをとって ...