【第52回】2019年8月試験

【第52回】学科一般・問題1(2019年1月試験)

⼤気圏各層における国際標準⼤気の気温と気圧の特徴および層内で起きる現象について整理した,下の表の空欄(a)〜(d)に⼊る適切な語句と数値の組み合わせを,下記の①〜⑤の中から⼀つ選べ。

  (a) (b) (c) (d)
⾼い 低い 10 準⼆年周期振動
低い ⾼い 10 紫外線による光電離
⾼い 低い 200 準⼆年周期振動
低い ⾼い 200 紫外線による光電離
低い ⾼い 200 ブリューワー・ドブソン循環
答え
④ 低い ⾼い 200 紫外線による光電離
解説
気温と気圧の高度分布は下図の通りです。

図より、
・対流圏→上部の気温は下部よりも低い
・成層圏→上部の気温は下部よりも高い
・中間圏→上部の気温は下部よりも低い
・熱圏 →上部の気温は下部よりも高い
となるため、(a)は低い、(b)は高いが正解です。

そして成層圏の最下層は1000hPa~100hPaにあるので、(c)は選択肢から判断して10hPaではなく200hPaです。

ちなみに、高層天気図が描かれる高さの上限が200hPaなので、それを思い出して200hPaと判断する方法もあると思います。(気象庁HPの高層天気図

この時点で正解は④⑤に絞ることができます。

最後に(d)を見ていきます。

熱圏で起きる現象が「紫外線による光電離」と「ブリューワー・ドブソン循環」のどちらなのか、という問題ですが、これは「紫外線による光電離」です。

熱圏は太陽に近いので、紫外線がダイレクトに降り注ぎます。そのうち0.1μm以下の波⻑の短い紫外線は、窒素や酸素の原⼦・分⼦に吸収されます。そして紫外線の作用によって、窒素や酸素の原⼦・分⼦から「電子」が分離します。これが光電離です。

「ブリューワー・ドブソン循環」は成層圏で起こる南北方向の循環です。

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