【第51回】2019年1月試験

【第51回】学科専門・問題15(2019年1月試験)

 表Aは,3か⽉予報における3か⽉平均気温の予報であり,表Bは,この期間の平年並の範囲を表している。これらについて述べた次の⽂(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①〜⑤の中から⼀つ選べ。ただし,平年並の範囲は,過去30年間(1981〜2010年)の出現率が,気温の低いほうから 33%〜67%をさし,これをその期間の平均値からの差で表している。

  1. (a) 気温が「⾼い」になる可能性は,⻄⽇本のほうが東⽇本よりも⼤きい。

  2. (b) 気温が平年差+0.2℃を上回る可能性は,沖縄・奄美のほうが⻄⽇本よりも⼤きい。

  3. (c) 平年並の範囲を算出するデータの中に極端な⾼温の年があり,極端な低温の年はない場合,平年並の範囲は,東⽇本のように,平年差が正の範囲(東⽇本では0.4℃)のほうが負の範囲(東⽇本では0.1℃)よりも⼤きくなる。

(a) (b) (c)
答え
⑤ 誤 誤 誤
解説 (a)について
「気温が「⾼い」になる可能性は,⻄⽇本のほうが東⽇本よりも⼤きい。」

これはです。

表Aより、
・東日本:気温が高いになる可能性は40%
・西日本:気温が高いになる可能性は40%
なので、どちらも同じです。

解説 (b)について
「気温が平年差+0.2℃を上回る可能性は,沖縄・奄美のほうが⻄⽇本よりも⼤きい。」

これはです。

沖縄・奄美の場合は平年並みの範囲が-0.1~+0.2なので、沖縄・奄美において「平年差+0.2℃を上回る可能性」=「平均気温が高いになる可能性」=「50%」です。

西日本の場合、「平年差+0.2℃を上回る可能性」は平均気温が高い場合と平年並みの場合があります。

高い=「平年差+0.5℃を上回る可能性」なので平年差+0.2℃は確実に上回ります。この確率は40%です。

平年並みの可能性は40%ですが、このうち「平年差+0.2℃を上回る可能性」が何%かはわかりません。

よって西日本が平年差+0.2℃を上回る可能性は、
高い可能性40% +平年並みの可能性0~40%=「40%~80%」です。

以上より、必ずしも沖縄・奄美のほうが大きくなるとは限りません。

解説 (c)について
「平年並の範囲を算出するデータの中に極端な⾼温の年があり,極端な低温の年はない場合,平年並の範囲は,東⽇本のように,平年差が正の範囲(東⽇本では0.4℃)のほうが負の範囲(東⽇本では0.1℃)よりも⼤きくなる。」

これはです。

"平年並の範囲を算出するデータ"は2019年現在だと、1981年~2010年の30個のデータです。

平年より高い/平年並み/平年より低い」を考えるときは、まず各年での「1981年~2010年の平均値からの差」を算出します。

算出した30個のデータを下図のように順番に並べて、高いほう30個の範囲が平年より高い、真ん中30個の範囲が平年並み、低いほう30個の範囲が平年より低いとなります。

個数で区切っているので、仮に極端な⾼温の年が1個だけあって、極端な低温の年はない場合でも、真ん中30個の平年並みの範囲に影響はありません。(下図参考)

※説明用に作ったグラフです。実際のデータではありません。

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