【第51回】学科専門・問題3(2019年1月試験)

気象庁の数値予報における客観解析について述べた次の⽂(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①〜⑤の中から⼀つ選べ。

(a) ⼤気の初期値を求める客観解析においては,第⼀推定値として数値予報モデルの予報値を⽤い,それを観測データによって修正する。修正の重みは,観測データの持つ誤差と第⼀推定値の持つ誤差の⼤きさ等を考慮して決めている。

(b) 3次元変分法は,数値予報モデルで⽤いられる物理法則を活⽤し,いろいろな時刻において観測されるデータを効果的に活⽤できる⼀⽅,数値予報モデルを⽤いた繰り返し計算が必要であるため,計算量が膨⼤になるという⽋点がある。

(c) GPS衛星からの電波を地上で受信するときの,電波伝播の速さの違いに基づいて算出される積算⽔蒸気量(可降⽔量)は,気象庁における数値予報モデルの予報変数ではないことから,客観解析では利⽤されていない。

  (a) (b) (c)
① 正 正 正
② 正 誤 正
③ 正 誤 誤
④ 誤 正 誤
⑤ 誤 誤 正

答え
③ 正 誤 誤
解説 aについて
「 ⼤気の初期値を求める客観解析においては,第⼀推定値として数値予報モデルの予報値を⽤い,それを観測データによって修正する。修正の重みは,観測データの持つ誤差と第⼀推定値の持つ誤差の⼤きさ等を考慮して決めている。」
 
これはです。客観解析の手順を以下に示します。
<客観解析の手順>
①前の時刻の解析値をもとにして数値予報モデルで予報した値 (=予報値)を「第一推定値」とする。
②観測データを使って「第一推定値」を修正する。
③現時刻の解析値を求める。
 
観測データでも全く誤差がないわけではありません。精度の悪い観測もあります。よって観測データと第一推定値の誤差を考慮して、修正して、解析値を求めています。
解説 bについて
「3次元変分法は,数値予報モデルで⽤いられる物理法則を活⽤し,いろいろな時刻において観測されるデータを効果的に活⽤できる⼀⽅,数値予報モデルを⽤いた繰り返し計算が必要であるため,計算量が膨⼤になるという⽋点がある。」
 
これはです。いろいろな時刻を用いるのは4次元変分法ですので、問題文は4次元変分法の説明です。
●3次元変分法:東西・南北・高さ
●4次元変分法:東西・南北・高さ+時間
3次元変分法や4次元変分法は、数値予報において観測データをどうやって取り入れるかを決めた方法です。
解説 cについて
「GPS衛星からの電波を地上で受信するときの,電波伝播の速さの違いに基づいて算出される積算⽔蒸気量(可降⽔量)は,気象庁における数値予報モデルの予報変数ではないことから,客観解析では利⽤されていない。」
 
これはです。気象庁では2009年から、GPSの可降水量データを客観解析に利用しています。

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