【第51回】学科専門・問題12(2019年1月試験)

表は気象会社X とY の予報精度の検証結果である。ユーザーA,B,C,D が次の⽂に⽰す要望を持っているとき,それぞれのユーザーが契約する気象会社として最も適切な選択の組み合わせを,下記の①〜⑤の中から⼀つ選べ。

A: 雷が発⽣すると⼯事を中断する必要があるので,「雷あり」の実況を⾒逃さない気象会社と契約したい。

B: 冬の関東平野部で屋外公演を予定している。⾬が降ると延期しないといけないので,⾬の予報精度がよい気象会社と契約したい。

C: 降⽔確率で翌⽇の商品の⼊荷数を決めるので,降⽔確率予報の精度がよい気象会社と契約したい。

D: 30℃を超えるとかき氷の需要が増えるので,翌⽇の最⾼気温の予報精度がよい気象会社と契約したい。

ユーザーA、ユーザーB、ユーザーC、ユーザーD
① X , X , X , Y
② X , X , Y , Y
③ X , Y , Y , X
④ Y , X , X , Y
⑤ Y , Y , Y , X

答え
① X , X , X , Y
解説 Aについて
まず適中率、空振り率、見逃し率、スレットスコアについて解説します。
スレットスコアは適中率からDを引いたものです。実際の予報ではDの「現象の予測なし&実際の観測なし」が一番多いです(雷とか、頻繁には起こりませんよね)。Dを除くことで予報精度の検証が有用になります。
 
ここから問題の解説です。
「A: 雷が発⽣すると⼯事を中断する必要があるので,「雷あり」の実況を⾒逃さない気象会社と契約したい。」
 
この場合は雷の見逃し率の低い会社を選ぶべきです。
「雷の有無の予報」の見逃し率を見ると、X社は0.04、Y社は0.08なので、X社が正解です。
解説 Bについて
「B: 冬の関東平野部で屋外公演を予定している。⾬が降ると延期しないといけないので,⾬の予報精度がよい気象会社と契約したい。」
 
降水については「降水の有無の予報」と「降水確率予報」があります。今回は雨が降るか・降らないかによって予定が変わるため、「降水の有無の予報」の精度が良いほうを選びます。
 
「降水の有無の予報」には「適中率」と「スレットスコア」がありますが、冬の関東平野部はあまり降水がないこともあり「現象の予測なし実際の観測なし」になりやすいです。
そのため適中率よりも、適中率から「現象の予測なし&実際の観測なし」を引いたスレットスコアで判断するのが適切です。
 
スレットスコアは「現象の予測あり&実際の観測あり」のみの適中率なので、高いほうが精度が良いです。X社は0.29、Y社は0.12なので、X社が正解です。
解説 Cについて
まずブライアスコアについて解説します。
ブライアスコアは確率予報の精度を検証する手法です。以下のように求められます。
 
・降水確率が高くて降水が有った場合、{(降水の有無)ー(予測された確率)}の値が小さくなります。(上図の例の4回目より1回目のほうが値が小さい)
 
・降水確率が低くて降水が無かった場合、{(降水の有無)ー(予測された確率)}の値が小さくなります。(上図の例の2回目より3回目のほうが値が小さい)
 
よってブライアスコアは、値が小さいほうが精度が良いです。
 
ここから問題の解説です。
「C: 降⽔確率で翌⽇の商品の⼊荷数を決めるので,降⽔確率予報の精度がよい気象会社と契約したい。」
 
降水確率予報のブライアスコアを見ると、X社は0.42、Y社は0.51なので、X社が正解です。
解説 Dについて
まずは気温の検証について解説します。
気温の検証には「平均誤差」と「2乗平均平方根誤差」があります。
 
どちらも「誤差=(予報値)−(実況値)」を見て判断します。誤差が大きいと精度が低い、誤差が小さいと精度が高い、となります。
 
「平均誤差」の場合、プラスとマイナスが相殺されてしまいます。
「2乗平均平方根誤差」の場合、誤差がマイナスとなった場合でも、2乗するのでプラスとマイナスによる相殺が起こりません。(下図の例をご参考ください)
よって「2乗平均平方根誤差」の精度が高いほうを選ぶべきです。
ここから問題の解説です。
「D: 30℃を超えるとかき氷の需要が増えるので,翌⽇の最⾼気温の予報精度がよい気象会社と契約したい。」
 
「翌日の最高気温予報」の2乗平均平方根誤差を見ると、X社は2.1、Y社は1.5なので、Y社が正解です。

-【第51回】2019年1月試験
-

Copyright© 気象予報士試験ドットコム , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.