【第51回】2019年1月試験

【第51回】学科専門・問題11(2019年1月試験)

 台⾵に伴う⾼潮,⾼波について述べた次の⽂(a)〜(d)の正誤について,下記の①〜⑤の中から正しいものを⼀つ選べ。

  1. (a) 台⾵が接近して気圧が低くなると海⾯が持ち上がることを「吸い上げ効果」と⾔い,気圧が1hPa低くなるごとに海⾯は約1cmずつ上昇する。

  2. (b) 台⾵に伴う⾵が沖から海岸に向かって吹くときに,海⽔が吹き寄せられ海岸付近の海⾯が上昇することを「吹き寄せ効果」と⾔う。吹き寄せによる海⾯の上昇は⾵速に⽐例する。

  3. (c) 台⾵が接近するとき,台⾵の中⼼付近および予想進路の右側に位置し,⾵の吹いてくる⽅向に開いている港湾は,⾼潮災害に対する警戒が特に必要である。

  4. (d) 台⾵域で発⽣した波浪のうち,うねりは,波⻑が⻑く減衰しにくいため遠く離れた海域まで伝播するので,台⾵が遠⽅にある場合でもうねりに対する警戒が必要である。

(a)のみ誤り
(b)のみ誤り
(c)のみ誤り
(d)のみ誤り
すべて正しい
答え
② (b)のみ誤り
解説 (a)について
「台⾵が接近して気圧が低くなると海⾯が持ち上がることを「吸い上げ効果」と⾔い,気圧が1hPa低くなるごとに海⾯は約1cmずつ上昇する。」

これはです。

吸い上げ効果=気圧が1hPa下がると潮位が約1cm上昇する現象
解説 (b)について
「台⾵に伴う⾵が沖から海岸に向かって吹くときに,海⽔が吹き寄せられ海岸付近の海⾯が上昇することを「吹き寄せ効果」と⾔う。吹き寄せによる海⾯の上昇は⾵速に⽐例する。」

これはです。

「吹き寄せによる海⾯の上昇は⾵速に⽐例する」ではなく「吹き寄せによる海⾯の上昇は⾵速の2乗に⽐例する」が正しいです。

風速が2倍になれば海面上昇は4倍になります。

解説 (c)について
「台⾵が接近するとき,台⾵の中⼼付近および予想進路の右側に位置し,⾵の吹いてくる⽅向に開いている港湾は,⾼潮災害に対する警戒が特に必要である。」

これはです。

台風の右側は、「台風の周りを吹く反時計回りの風」と「台風の進行に伴う移動速度」が合わさって風が強く吹きます。

そのため⾵の吹いてくる⽅向に開いている港湾は特に危険度が高くなります。

解説 (d)について
「台⾵域で発⽣した波浪のうち,うねりは,波⻑が⻑く減衰しにくいため遠く離れた海域まで伝播するので,台⾵が遠⽅にある場合でもうねりに対する警戒が必要である。」

これはです。

波浪には「風浪」と「うねり」があります。

  • 風浪…海上で吹いている風によって生じる波
  • うねり…風による発達がなくなった後に残される波

うねりは数千キロメートルも離れた場所で観測されることもあるため、台風が遠方にある場合でもうねりに対する警戒は必要です。

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