【第56回】学科一般・問題4(2021年8月試験)

 雲の中の水滴の成長について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

  1. (a) 水蒸気の凝結による水滴の成長過程では、水滴の半径が小さいほど単位時間の半径の増加率は大きい。

  2. (b) 水滴同士が衝突・併合して成長する過程では、一般に水滴が大きく成長するにつれて単位時間の半径の増加率は小さくなる。

  3. (c) 暖かい雨の形成過程における水蒸気の凝結と水滴同士の衝突・併合による水滴の成長はともに遅く、水滴が成長して降水がはじまるまでに1時間以上かかる。

  4. (d) 積乱雲の中では強い鉛直流の中で短時間のうちに水滴が大きく成長し、水滴の直径が10mmを超えることがある。

(a) (b) (c) (d)
答え
③ 正 誤 誤 誤
解説 (a)について

「水蒸気の凝結による水滴の成長過程では、水滴の半径が小さいほど単位時間の半径の増加率は大きい。」

これはです。

半径の小さい水滴ほど、単位時間に半径が増大する割合は大きくなります。

水滴の凝結成長の計算例(雲と雨の気象学(水野量))

■参考:凝結過程による雲粒の成長

解説 (b)について

「水滴同士が衝突・併合して成長する過程では、一般に水滴が大きく成長するにつれて単位時間の半径の増加率は小さくなる。」

これはです。

水滴の併合過程では、水滴が大きく成長するにつれて単位時間の半径の増加率は大きくなります。

雲と雨の気象学(水野量)

■参考:併合過程

解説 (c)について

「暖かい雨の形成過程における水蒸気の凝結と水滴同士の衝突・併合による水滴の成長はともに遅く、水滴が成長して降水がはじまるまでに1時間以上かかる。」

これはです。

「暖かい雨」は、雲粒がすべて水滴でできている雲から降る雨です。

一方で「冷たい雨」は、雲粒に氷の粒を含む雲から降る雨です。

暖かい雲は熱帯地方でよく発生します。

暖かい雨の凝結過程併合過程による水滴の成長は、遅くないです。

水滴が成長して降水がはじまるまでの時間は30分~1時間程度のため、(c)は誤りです。

解説 (d)について

「積乱雲の中では強い鉛直流の中で短時間のうちに水滴が大きく成長し、水滴の直径が10mmを超えることがある。」

これはです。

水滴の直径は最大8mm程度です。

大きくなると下からの空気抵抗により雨粒の形がゆがみ、最終的に分裂します。

■参考:雨の科学(大阪教育大学)

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