【第56回】学科一般・問題2(2021年8月試験)

 湿潤大気中で空気塊を持ち上げたときの気温等の変化について述べた次の文章の空欄(a)、(b)に入る数値の組み合わせとして最も適切なものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。ただし、乾燥断熱減率は10℃/km、湿潤断熱減率は5℃/kmとする。

 地上(高度0km)で気温が25℃、高度3kmで気温が5℃の大気中において、周囲の空気と混合せずに断熱的に地上から上昇した空気塊の自由対流高度が3kmとなった。このとき、持ち上げ凝結高度は(a)km、そこでの空気塊の温度は(b)℃となる。

(a) (b)
1 10
1 15
1.5 10
2 10
2 15
答え
② 1 15
自由対流高度と持ち上げ凝結高度

はじめに問題文に出てくる用語を解説します。

・乾燥空気:水蒸気を除外した空気。

・湿潤空気:水蒸気を含む空気。

「乾燥空気」と「飽和に達していない湿潤空気」を上空に持ち上げたときは、乾燥断熱減率に沿って変化します。

「飽和に達した湿潤空気」を上空に持ち上げたときは、湿潤断熱減率に沿って変化します。

持ち上げ凝結高度

・持ち上げ凝結高度:空気を持ち上げたとき、飽和に達する高度。

自由対流高度

・自由対流高度:空気を持ち上げたとき、周囲の空気より温度が高くなる高度。

解説

問題文の内容を図にまとめると、以下のようになります。

問題文より、乾燥断熱減率は10℃/km、湿潤断熱減率は5℃/kmです。

選択肢より、仮に持ち上げ凝結高度が1kmだとすると、「高度0~1kmは乾燥断熱、高度1~3kmは湿潤断熱で変化」することになります。

地上の気温は25℃なので、
・高度1km地点は、「25℃-(10℃/km × 1km)=15℃」
・高度3km地点は、「15℃-(5℃/km × 2km)=5℃」
となります。

問題文に「高度3kmで気温が5℃」とあるので、整合性は取れています。

仮に持ち上げ凝結高度が1.5kmだとすると、

「高度0~1.5kmは乾燥断熱、高度1.5~3kmは湿潤断熱で変化」する。

地上の気温は25℃なので、

・高度1.5km地点は、「25℃-(10℃/km × 1.5km)=10℃」

・高度3km地点は、「10℃-(5℃/km × 1.5km)=2.5℃」

となるため、「高度3kmで気温が5℃」ではなくなってしまう。

仮に持ち上げ凝結高度が2kmだとすると、

「高度0~2kmは乾燥断熱、高度2~3kmは湿潤断熱で変化」する。

地上の気温は25℃なので、

・高度2km地点は、「25℃-(10℃/km × 2km)=5℃」

・高度3km地点は、「5℃-(5℃/km × 1km)=0℃」

となるため、「高度3kmで気温が5℃」ではなくなってしまう。

以上より、持ち上げ凝結高度は1km、高度1km地点の気温は「25℃-(10℃/km × 1km)=15℃」となります。

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