【第52回】学科一般・問題4(2019年8月試験)

 黒体放射について述べた次の文章の空欄(a)~(c)に入る適切な数式,語句および数値の
組み合わせを,下記の①~⑤の中から一つ選べ。

 絶対温度Tの黒体の単位面積から単位時間に放射されている波長別のエネルギー量を,すべての波長について積算した全エネルギー量は(a)に比例し,単位波長あたりの放射強度が最も強くなる波長はTに(b)する。放射強度の最大値は,地球の放射平衡温度255Kの黒体放射では波長約11μmのところにあり,太陽の表面温度約6000Kの黒体放射では波長約(c)μmのところにある。

  (a) (b)  (c)
① T2 反比例 0.5
② T2 比例  2
③ T4 比例  0.5
④ T4 反比例 2
⑤ T4 反比例 0.5

答え
⑤ T4 反比例 0.5
解説 黒体放射の知識
まず言葉の定義をおさえておきます。
<黒体>
入射されたエネルギーをすべて吸収する仮想的な物体。地球や太陽はほぼ黒体とみなされることが多い。
<黒体放射>
黒体が電磁波を放射すること。
※すべての物体は絶対零度でない限りなんらかの電磁波を放射している。
 
<電磁波>
空間の振動。「波」という形で伝わる。太陽エネルギーも電磁波という形で伝わり、様々な電磁波が入り混じっている。
<放射強度>
放射されるエネルギーがどのくらい強いかを数値で示したもの。
 
黒体から放射される電磁波の波長放射強度は、その黒体の温度だけで決まっています。これをプランクの法則と呼んでいます。

(新 百万人の天気教室 (白木正親、成山堂書店)、P41)

図より、物体の温度が高いほど、波長が短くて、放射強度が強いことがわかります。
(300Kのグラフより6000Kのグラフのほうが、左にある(=波長が短い)&上にある(放射強度が強い))
 
<ウィーンの変位測>
黒体の温度と、放射エネルギーが最も強くなる時の波長との間には、以下の式が成り立ちます。これはウィーンの変位則と呼んでいます。
 
<ステファン・ボルツマンの法則>
プランクの法則の図で、すべての波長における放射エネルギーを合算すると、全エネルギーを求めることができます。この全エネルギーと温度の間には、以下の式が成り立ちます。これをステファン・ボルツマンの法則と呼んでいます。
 
この法則は「黒体放射の放射強度Iは温度の4乗に比例する」ということを示しています。
解説
まず(a)です。
「絶対温度Tの黒体の単位面積から単位時間に放射されている波長別のエネルギー量を,すべての波長について積算した全エネルギー量は(a)に比例し」
 
ステファン・ボルツマンの法則より正解は「4」です。
 
次に(b)です。
「単位波長あたりの放射強度が最も強くなる波長はTに(b)する。」
 
ウィーンの法則より正解は「反比例」です。
 
最後に(c)です。
「放射強度の最大値は,地球の放射平衡温度255Kの黒体放射では波長約11μmのところにあり,太陽の表面温度約6000Kの黒体放射では波長約(c)μmのところにある。」
 
「解説 黒体放射の知識」の<放射強度>のグラフより、6000Kの黒体放射の放射強度の最大値は、波長約0.5μmのところにあるとわかります。
 
またウィーンの法則の式に当てはめると、
 λ(放射強度が最も強くなる時の波長)=2897/6000K ≒ 0.48μm
となるので、正解は「0.5」だとわかります。

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