【第56回】2021年8月試験

【第56回】学科一般・問題14(2021年8月試験)

 気象観測について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から正しいものを1つ選べ。

  1. (a) 農園で果樹の管理のために農園内の苗木の間に温度計を設置する場合は,その農園の運営者は温度計の設置について気象庁長官に届け出なければならない。

  2. (b) 学会に発表する論文に掲載するデータを得るために大学が風速観測施設を設置する場合は,その大学は観測施設の設置について気象庁長官に届け出なければならない。

  3. (c) スキー場を運営する事業者がゲレンデ付近の気温をホームページに掲載するためにスキー場内に温度計を設置する場合は,その事業者は温度計の設置について気象庁長官に届け出なければならない。

  4. (d) 鉄道事業者が列車の安全な運行に利用するために降水量の観測施設を設置する場合は,国土交通省令で定める技術上の基準に従って観測を行わなければならない。

(a) (b) (c) (d)
答え
④ 誤 誤 正 正
気象庁以外の気象観測について

「気象庁以外の者の行う気象観測」は、気象業務法の第6条に記載されています。

抜粋すると、以下の通りです。

気象業務法の第6条

気象庁以外の「政府機関」や「地方公共団体」が気象の観測を行う場合には、国土交通省令で定める技術上の基準に従って観測しなければならない。

ただし、以下の場合は例外になりうる。

  • 研究のために行う気象の観測
  • 教育のために行う気象の観測
  • 国土交通省令で定める気象の観測

気象業務法の第6条2

「政府機関」や「地方公共団体」が以下の気象の観測を行う場合には、国土交通省令で定める技術上の基準に従って観測しなければならない。

  • 成果を発表するための気象の観測
  • 成果を災害の防止に利用するための気象の観測

ただし、国土交通省令で定める気象の観測の場合は、例外になりうる。

つまり、

  • 基本的には国交省の基準に従って観測しなきゃダメ
  • 特に「観測の成果を発表する場合」や「災害防止に使う場合」は、基準に従っていないとNG
  • 研究や教育(例えば学校での観測)のためだったら、厳密な基準に沿っていなくてもOK
  • 国交省で定める気象の観測の場合も、厳密な基準に沿っていなくてもOK

となります。

「国土交通省令で定める気象の観測」については、気象業務法施行規則の第1条の4に記載されています。

抜粋すると、以下の通りです。

気象業務法施行規則の第1条の4

国土交通省令で定める気象の観測は、次に掲げるものとする。

  • 特殊な環境(畑、苗木の間、建物内部、地下通路など)によって変化した気象のみを対象とする観測
  • 気温・気圧・降水量などの主な種目ではない気象観測

    ※詳細は気象業務法施行規則の第1条の4を参照

  • 臨時に行う気象の観測
  • 定時観測用の気象船舶以外の船舶による観測
  • 航空機で行う気象の観測
解説 (a)について

「農園で果樹の管理のために農園内の苗木の間に温度計を設置する場合は,その農園の運営者は温度計の設置について気象庁長官に届け出なければならない。」

これはです。

農園で温度を観測し、それを発表ぜすに果樹の管理のために使う場合は、温度計の設置について気象庁長官に届け出る必要はありません。

解説 (b)について

「学会に発表する論文に掲載するデータを得るために大学が風速観測施設を設置する場合は,その大学は観測施設の設置について気象庁長官に届け出なければならない。」

これはです。

研究のための気象観測なので、気象庁長官に届け出る必要はありません。

解説 (c)について

「スキー場を運営する事業者がゲレンデ付近の気温をホームページに掲載するためにスキー場内に温度計を設置する場合は,その事業者は温度計の設置について気象庁長官に届け出なければならない。」

これはです。

ホームページに掲載するというのは、「成果を発表するための気象の観測」にあたります。(※2022年11月28日に修正)

そのため気象庁長官に届け出る必要があります。

解説 (d)について

「鉄道事業者が列車の安全な運行に利用するために降水量の観測施設を設置する場合は,国土交通省令で定める技術上の基準に従って観測を行わなければならない。」

これはです。

列車の安全な運行に利用するというのは、「成果を災害の防止に利用するための気象の観測」にあたります。(※2022年11月28日に修正)

そのため気象庁長官に届け出る必要があります。

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