【第55回】2021年1月試験

【第55回】学科専門・問題14(2021年1月試験)

 図は,ある民間気象会社が開発した真夏日となる確率を予測するガイダンスについて,10 日間のガイダンスの値と実況(●:真夏日,×:真夏日でない)の経過を示したものである。この図について述べた次の文章の下線部(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1 つ選べ。ただし,適中率,空振り率,見逃し率は,全予報数に対する割合とする。

 この10 日間について,真夏日になるか・ならないかをガイダンスの値を判定基準として用いて予想することとし,判定基準を変更した場合の予想精度を比較する。判定基準を50%から45%に変更して予想した場合,変更前と比べて,「真夏日」か「真夏日でない」かの予想の適中率は(a)改善し,空振り率は(b)増加する。また,見逃し率を下げるには,判定基準を(c)高くすればよい。

  (a) (b) (c)
答え
④ 誤 正 誤
適中率・空振り率・見逃し率について

適中率・空振り率・見逃し率の関係は以下の通りです。

解説 (a)(b)について
「判定基準を50%から45%に変更して予想した場合,変更前と比べて,「真夏日」か「真夏日でない」かの予想の適中率は(a)改善し,空振り率は(b)増加する。」

(a)は、(b)はです。

まずは判定基準が50%のときの「適中率」「空振り率」と、判定基準が45%のときの「適中率」「空振り率」を求めます。

【判定基準が50%】

【判定基準が45%】

はじめに(a)について見ていきます。

上図より、

  • 判定基準が50%:適中率は0.7
  • 判定基準が45%:適中率は0.7

なので、判定基準を50%から45%に変更しても適中率は変わっていません。

次に(b)について見ていきます。

上図より、

  • 判定基準が50%:空振り率は0.1
  • 判定基準が45%:空振り率は0.3

なので、判定基準を50%から45%に変更した場合、空振り率は増加しています。

解説 (c)について
「見逃し率を下げるには,判定基準を(c)高くすればよい。」

これはです。

見逃し率を下げるには、判定基準を低くしたほうがよいです。

見逃し率を求めると、以下のようになります。

【判定基準が50%】

【判定基準が45%】

上図より、

  • 判定基準が50%:見逃し率は0.2
  • 判定基準が45%:見逃し率は0

なので、判定基準を低くしたほうが見逃し率は下がります。

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