【第55回】2021年1月試験

【第55回】学科専門・問題4(2021年1月試験)

気象庁が運⽤する数値予報モデルについて述べた次の⽂(a)〜(d)の下線部の正誤について,下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。

  1. (a) 数値予報モデルでは,⼀定時間(ステップ)ごとに⼤気の状態の計算を繰り返して将来の状態を予測する。1ステップの⻑さは,全球モデルでは約30分,メソモデルでは約10分である。

  2. (b) 客観解析に4次元変分法を導⼊したことにより,数値予報の初期時刻と異なる時刻に観測されたデータをより有効に利⽤できるようになった。

  3. (c) メソモデルの予報結果は,予報領域の境界を通じて全球モデルの予報結果の影響を受けるが,その影響は予報時間が⻑くなるほど⼩さくなる。

  4. (d) メソモデルは静⼒学近似を⽤いておらず,対流雲を格⼦スケールの現象として直接表現できるため,格⼦スケールより⼩さな対流を扱う積雲対流パラメタリゼーションは⽤いていない。

(a)のみ正しい
(b)のみ正しい
(c)のみ正しい
(d)のみ正しい
すべて誤り
答え
② (b)のみ正しい
解説 (a)について
「数値予報モデルでは,⼀定時間(ステップ)ごとに⼤気の状態の計算を繰り返して将来の状態を予測する。1ステップの⻑さは,全球モデルでは約30分,メソモデルでは約10分である。

これはです。

1ステップの長さは、全球モデルでは400秒、メソモデルでは20秒です。

⼀定時間(ステップ)ごとの計算は「積分時間間隔」で表されます。

解説 (b)について
「客観解析に4次元変分法を導⼊したことにより,数値予報の初期時刻と異なる時刻に観測されたデータをより有効に利⽤できるようになった。

これはです。

「4次元変分法」とは、数値予報において観測データをどうやって取り入れるかを決めた方法の1つです。

3次元変分法の「東西・南北・高さ」に加えて「時間」も取り入れた方法です。

4次元変分法では、いろいろな時刻において観測されるデータを効果的に活⽤できます。

解説 (c)について
「メソモデルの予報結果は,予報領域の境界を通じて全球モデルの予報結果の影響を受けるが,その影響は予報時間が⻑くなるほど⼩さくなる。

これはです。

メソモデルの予報結果は、全球モデルの予報結果の影響を受けますが、その影響は予報時間が⻑くなるほど大きくなります。

解説 (d)について
「メソモデルは静⼒学近似を⽤いておらず,対流雲を格⼦スケールの現象として直接表現できるため,格⼦スケールより⼩さな対流を扱う積雲対流パラメタリゼーションは⽤いていない。

これはです。

メソモデルは積雲対流パラメタリゼーションを使っています

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