表は，ある地点の1日〜10日の日毎の最高気温の実況値，モデルＸおよびモデルＹによる最高気温の予測値を示したものである。予測値の検証について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを，下記の①～⑤の中から1つ選べ。
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(a) 実況で夏日になった日のみを抜き出して，最高気温予測の系統的な偏りを平均誤差(ME)により求めると，モデルＸの予測値は実況値より低めであった。
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(b) 10日間の最高気温予測の精度を2乗平均平方根誤差(RMSE)により求めると，モデルＹの方がモデルＸより予測精度がよい。
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(c) 実況で真夏日になった日のみを抜き出して最高気温予測の精度を2乗平均平方根誤差(RMSE)により求めると，モデルＸの方がモデルＹより予測精度がよい。
| (a) | (b) | (c) | |
| ① | 正 | 正 | 正 |
| ② | 正 | 正 | 誤 |
| ③ | 正 | 誤 | 誤 |
| ④ | 誤 | 正 | 正 |
| ⑤ | 誤 | 誤 | 誤 |
気温の検証には「平均誤差」と「2乗平均平方根誤差」があります。
どちらも「誤差＝（予報値）−（実況値）」を見て判断します。
誤差が大きいと精度が低い、誤差が小さいと精度が高い、となります。
「平均誤差」の場合、プラスとマイナスが相殺されてしまいます。
「2乗平均平方根誤差」の場合、誤差がマイナスとなった場合でも、2乗するのでプラスとマイナスによる相殺が起こりません。（下図の例をご参考ください）
よって「2乗平均平方根誤差」の精度が高いほうが良いです。
「実況で夏日になった日のみを抜き出して，最高気温予測の系統的な偏りを平均誤差(ME)により求めると，モデルＸの予測値は実況値より低めであった。」
これは正です。
はじめに、言葉の定義をおさらいします。
- 猛暑日：最高気温が35℃以上
- 真夏日：最高気温が30℃以上
- 夏 日：最高気温が25℃以上
実況で夏日になった日は、「3日,4日,5日,6日,7日,8日」です。
この6日間を抜き出して、モデルＸの最高気温予測の平均誤差(ME)を求めます。
上図より、モデルＸの最高気温予測の平均誤差は「－0.5℃」です。
よって、実況値より低めであることがわかります。
「10日間の最高気温予測の精度を2乗平均平方根誤差(RMSE)により求めると，モデルＹの方がモデルＸより予測精度がよい。」
これは正です。
それぞれのモデルの2乗平均平方根誤差(RMSE)を求めます。
モデルＸは「2.3」、モデルＹは「1.9」です。
モデルＹの方が数字が小さい（＝誤差が小さい）ので、モデルＹの方がモデルＸより予測精度がよいことがわかります。
「実況で真夏日になった日のみを抜き出して最高気温予測の精度を2乗平均平方根誤差(RMSE)により求めると，モデルＸの方がモデルＹより予測精度がよい。」
これは正です。
実況で夏日になった日は、「4日,5日,6日,7日,8日」です。
この5日間を抜き出して、モデルＸとモデルＹの、最高気温予測の2乗平均平方根誤差(RMSE)を求めます。
モデルＸは「1.6」、モデルＹは「2.6」です。
モデルＸの方が数字が小さい（＝誤差が小さい）ので、モデルＸの方がモデルＹより予測精度がよいことがわかります。