【第54回】学科専門・問題11(2020年8月試験)
図は,9月のある日の15時に気象衛星で観測された可視画像,赤外画像,水蒸気画像である。これらの画像について述べた次の文(a)~(d)は,図中に示したA~Eの領域のいずれについて述べたものか,適切な組み合わせを下記の①~⑤の中から1つ選べ。 (a) 擾乱の北側に広がる上層雲が急速に拡大し,北縁にはトランスバースラインが見られることから,上層の水平発散が強まっていることが示唆される。 (b) 連なった雲域の西縁の上層の雲パターンから,上層の強風軸がこの雲域の西縁に沿って存在していることが示唆される。 (c) ...
【第54回】学科専門・問題10(2020年8月試験)
北半球の偏西風帯における温帯低気圧について述べた次の文((a)~(d)の正誤について正しいものを,下記の①~⑤の中から正しいものを1つ選べ。 (a) 台風から変わった温帯低気圧では,温帯低気圧になった時点から中心気圧が低くなることはない。 (b) 発達中の低気圧では,低気圧の東側で暖気が北上し,西側で寒気が南下するため,熱は北向きに輸送される。 (c) 気象衛星の赤外画像でみると,低気圧の発達期には,地上低気圧中心の東側の雲域は,その北縁が寒気側にふくらむ。 (d) 地上低気圧の中心と上層のトラフとを結 ...
【第54回】学科専門・問題9(2020年8月試験)
冬季に日本付近で発生するポーラーロウについて述べた次の文(a)~(d)の正誤について,下記の①~⑤の中から正しいものを1つ選べ。 (a) 多くのポーラーロウは対流性の雲を伴い,コンマ状や渦状,台風に似た眼を伴ったらせん状の形をしている。 (b) 寒冷渦に伴って日本海に発生することが多く,地上天気図にはメソスケールの低気圧や気圧の谷として解析されることが多い。 (c) 台風や温帯低気圧に比べて水平スケールは小さいが,しばしば強風や大雪などの悪天候を伴うので注意が必要である。 (d) 一般に,発達して眼(渦 ...
【第54回】学科専門・問題8(2020年8月試験)
図は,西日本に上陸し,その後勢力を弱めて日本海に進んだ台風の気象衛星赤外画像である。このような台風について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。 (a) この台風は,眼が不明瞭化し軸対称性も崩れてきているが,周辺には活発な対流雲を伴っているため,引き続き大雨への警戒が必要である。 (b) この台風のように,台風が上陸後に勢力を弱める主な原因は,水蒸気の供給が減少し,また,陸地の摩擦によりエネルギーが失われるためである。 (c) この図のように台風が ...
【第54回】学科専門・問題7(2020年8月試験)
解析雨量について述べた次の文(a)~(d)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。 (a) 解析雨量は,気象レーダーと雨量計の観測データを組み合わせ,降水量分布を1km四方の細かさで解析したもので,面的に雨量を推定できる気象レーダーと,正確な雨量を観測できる雨量計の両方の長所を活かしたものである。 (b) 海上の解析雨量は,陸上の雨量計から得られた情報を用いて気象レーダーの観測データを補正しているため,陸上よりも一般に誤差が大きい。 (c) 解析雨量は実測値ではないこ ...
【第54回】学科専門・問題6(2020年8月試験)
気象庁の天気予報ガイダンスについて述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。 (a) 数値予報モデルで予想された降水域の位置が実際の位置から外れている場合,降水量ガイダンスにより,その位置のずれを修正し誤差を大幅に減らすことは困難である。 (b) 風ガイダンスにより,数値予報の風速の予測誤差を低減することはできるが,風向の予測誤差を低減することは困難である。 (c) 発雷確率ガイダンスは,対象領域内での発雷数の多寡を予想するガイダンスである。 (a)( ...
【第54回】学科専門・問題5(2020年8月試験)
アンサンブル予報について述べた次の文(a)~(d)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。ただし,アンサンブル予報は同一の数値予報モデルを用いているものとする。 (a) 初期値に含まれる誤差によって生じる予測の不確実性の情報を得るため,アンサンブル予報では,摂動を加えた少しずつ異なる多数の初期値について,予測を行っている。 (b) 予報結果のアンサンブル平均をとることで,数値予報モデルが持つ系統的な誤差を除去することができる。 (c) アンサンブル予報のスプレッドが大 ...
【第54回】学科専門・問題4(2020年8月試験)
気象庁の全球モデルの初期値を作成する客観解析について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。 (a) ラジオゾンデによる高層気象観測データは大気を直接観測しており精度が高いため,観測地点の直近の格子点では,この観測データそのものを解析値としている。 (b) 台風周辺の初期値の精度向上のため,台風の中心気圧や強風半径の情報に基づいて推定された台風周辺の気圧や風の分布が,疑似的な観測データとして客観解析に利用されている。 (c) 観測データは第一推定値と ...
【第54回】学科専門・問題3(2020年8月試験)
ラジオゾンデを用いた高層気象観測について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。 (a) 高層気象観測を行う各国においては,現地時刻の9時と21時に観測を行うこととされている。 (b) 気象庁では,GPSゾンデと呼ばれる観測機器を使用しており,風向・風速の観測データは,GPS信号を利用して算出されている。 (c) 気象庁では,全ての気象台と海洋気象観測船で高層気象観測を行っている。 (d) 気象庁のラジオゾンデによる高層気象観測の観測範囲は地上から上 ...
【第54回】学科専門・問題2(2020年8月試験)
気象庁が気象台等の気象官署とアメダスで行っている気温,降水量,風速の観測について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。ただし,ここでアメダスとは気象官署以外の地域気象観測所をさす。 (a) 気温の観測については,気象官署では電動ファンを用いて強制的に温度計に通風を行っているが,アメダスでは電動ファンを使用せず自然通風としている。 (b) 降水量の観測については,気象官署では0.5mm単位で観測を行っているが,アメダスでは1mm単位で観測を行っている ...