【第54回】学科専門・問題4(2020年8月試験)

 気象庁の全球モデルの初期値を作成する客観解析について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。

  1. (a) ラジオゾンデによる高層気象観測データは大気を直接観測しており精度が高いため,観測地点の直近の格子点では,この観測データそのものを解析値としている。

  2. (b) 台風周辺の初期値の精度向上のため,台風の中心気圧や強風半径の情報に基づいて推定された台風周辺の気圧や風の分布が,疑似的な観測データとして客観解析に利用されている。

  3. (c) 観測データは第一推定値と比較され,その差が定められた基準を超える場合は客観解析には利用されない。

(a) (b) (c)
答え
③ 誤 正 正
解説 (a)について
「ラジオゾンデによる高層気象観測データは大気を直接観測しており精度が高いため,観測地点の直近の格子点では,この観測データそのものを解析値としている。」

これはです。

観測データであっても、誤差はあります。

そのため観測データそのものを解析値にすることはありません。

解説 (b)について
「台風周辺の初期値の精度向上のため,台風の中心気圧や強風半径の情報に基づいて推定された台風周辺の気圧や風の分布が,疑似的な観測データとして客観解析に利用されている。」

これはです。

台風の客観解析には「台風ボーガス」という手法が使われています。

台風ボーガスとは、気象庁が発表する台風の進路・強度予報をもとに、典型的な台風の分布を仮定して、仮想的な海上風・海面気圧を推定する手法のことです。

台風が多く発生する日本の南の海上では、観測データが少ないため、台風ボーガスが使われています。

解説 (c)について
「観測データは第一推定値と比較され,その差が定められた基準を超える場合は客観解析には利用されない。」

これはです。

前の初期値をもとに作られる予測値を「第一推定値」といいます。

観測データは第一推定値と比較されて、誤差が大きい場合には利用されなくなります。

■参考
数値予報について〜概要と近年の改良に伴う特性の変化〜(気象庁)
客観解析(気象庁)

<< 前の問題

次の問題 >>

-【第54回】2020年8月試験
-

Copyright© 気象予報士試験ドットコム , 2022 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.