【第54回】2020年8月試験

【第54回】学科一般・問題15(2020年8月試験)

災害対策基本法における市町村の責務に関する次の文章の空欄(a)〜(d)に⼊る適切な語句の組み合わせを,下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

 災害対策基本法において,市町付は,(a)地方公共団体として,当該市町付の住民の生命,身体及び財産を災害から保護するため,(b)を作成し,実施する責務を有しており,市町村長は,災害が発生し,または発生するおそれがある場合には,避難のための(c)勧告し,及び急を要すると認めるときは,避難のための(c)(d)することができる。

(a) (b) (c) (d)
広域的な 防災業務計画 出勤を消防機関等に 命令
広域的な 地域防災計画 立ち退きを居住者等に 指示
基礎的な 防災業務計画 出勤を消防機関等に 命令
基礎的な 地域防災計画 出勤を消防機関等に 指示
基礎的な 地域防災計画 立ち退きを居住者等に 指示
答え
⑤ 基礎的な 地域防災計画 立ち退きを居住者等に 指示
解説 (a)(b)について
「災害対策基本法において,市町付は,(a)地方公共団体として,当該市町付の住民の生命,身体及び財産を災害から保護するため,(b)を作成し,実施する責務を有しており」

(a)は「基礎的な」、(b)は「地域防災計画」が正解です。

災害対策基本法 第5条に、市町村の責務について記載があります。

市町村は、基本理念にのっとり、基礎的な地方公共団体として、当該市町村の地域並びに当該市町村の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、関係機関及び他の地方公共団体の協力を得て、当該市町村の地域に係る防災に関する計画を作成し、及び法令に基づきこれを実施する責務を有する。(災害対策基本法 第5条)

当該市町村の地域に係る防災に関する計画」とは、「地域防災計画」のことです。

もうひとつの選択肢である「防災業務計画」とは、指定行政機関(気象庁、警察庁、国交省など)や指定公共機関(NHK、JR、NTTなど)が作成するものです。

「市町村は"地域防災計画"」と覚えておくといいかもしれません。

解説 (c)(d)について
「市町村長は,災害が発生し,または発生するおそれがある場合には,避難のための(c)勧告し,及び急を要すると認めるときは,避難のための(c)(d)することができる。」

(c)は「立ち退きを居住者等に」、(d)は「指示」が正解です。

市町村長の避難の指示については、災害対策基本法 第60条に記載されています。

災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、避難のための立退きを指示することができる。(災害対策基本法 第60条)

参考

市町村長は、災害が発生するおそれがあるときは、消防機関に「出動の準備」あるいは「出動を命じる」ことができます。(災害対策基本法 第58条)

しかし今回の問題にあてはめると、
・避難のための出勤を消防機関等に勧告し
・避難のための出勤を消防機関等に命令or指示することができる
となって、
「避難のために出勤する…?」
「市町村長から消防機関への通達なのに勧告でいいの…?」
といった疑問がわくと思います。

その疑問をもとに考えると、選択肢は②⑤に絞ることができます。

参考
  • 防災基本計画
    中央防災会議が作成する、防災に関する基本的な計画。
  • 防災業務計画
    指定行政機関の長及び指定公共機関が、防災基本計画に基づいて作成する防災対策に関する計画。
  • ・指定行政機関…気象庁、警察庁、国交省、環境省、など(内閣府HP
    ・指定公共機関…研究所、鉄道会社、NHK、通信会社など(内閣府HP

  • 地域防災計画
    一定地域に係る防災に関する計画。例えば以下のものが該当する。
  • ・都道府県地域防災計画…都道府県防災会議が作成する
    ・市町村地域防災計画…市町村防災会議又は市町村長が作成する。

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