【第54回】2020年8月試験

【第54回】学科一般・問題7(2020年8月試験)

 図はダウンバーストの模式図である。積乱雲からの下降流は円柱状に生じており,その下降流は,地上付近に達するとほぼ水平に,地表面から高度50mまでの範囲で高さ方向に一様な風速で,図のように軸対称に広がるものとする。
 高さhにおける円柱の半径を500m,下降流の速さを円柱内で一様に20m/sとするとき,地表面近くで下降流の中心から1000m離れた地点Rにおける地表面から高さ50mまでの範囲の水平風速として最も適切なものを,次の①~⑤の中から1つ選べ。ただし,定常状態を仮定し,高さhおよび地点Rの空気の密度は同じで,地表面との摩擦およびここに述べた以外の風は考慮しないものとする。

① 20m/s
② 40m/s
③ 50m/s
④ 60m/s
⑤ 80m/s

答え
③ 50m/s
解説

ダウンバーストを題材としていますが、単純に空気量を計算する問題だと思います。

・定常状態(運動の形態が時間的に変化しない(ex.雨が降ったりしない))
・空気の密度は同じ
・地表面との摩擦や他の風は考慮しない
という前提条件から、円柱内を通過する空気量地表面から水平方向に広がる空気量が同じになります。

まず、円柱内を通過する空気量を求めます。

空気量は「断面積×速度」で表すことができるので、

円柱内を通過する空気量=(500×500×π)×20m/s

となります。

次に、地表面から水平方向に広がる空気量を求めます。

このとき、断面積は「円周×高さ」です。

よって速度をV m/sとすると、

地表面から水平方向に広がる空気量

=(円周)×(高さ)×(速度)=(1000×2×π)×(50m)×V m/s

となります。

円柱内を通過する空気量地表面から水平方向に広がる空気量が同じなので、

(500×500×π)×20 m/s=(1000×2×π)×(50m)×V m/s

⇔ V m/s=50 m/s

以上より、答えは③ 50m/sです。

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