【第53回】学科専門・問題11(2020年1月試験)

台⾵に伴う⾵に関して述べた次の⽂(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

  1. (a) 台⾵に伴う⾵は⼀般に傾度⾵で近似でき,台⾵を取り巻く等圧線に沿った流れとなっているが,⼤気境界層内では地⾯摩擦の影響により中⼼に向かう流れが⽣ずる。

  2. (b) ⼀般に,ある地点で時間の経過とともに⾵向が時計回りに変化しているとき,その地点は台⾵の進⾏⽅向の右側にあたる。

  3. (c) 台⾵中⼼付近(ただし,台⾵の眼の中を除く)で,等圧線の接線⽅向の⾵速は,対流圏中層と対流圏界⾯の間の⾼度で最も⼤きくなる。

  4. (d) 台⾵が北上して温帯低気圧に変わりつつある段階では,強⾵域が広がったり,⾵が中⼼から離れた場所で最も強くなったりすることがある。

(a) (b) (c) (d)
答え
② 正 正 誤 正
解説 (a)について
「台⾵に伴う⾵は⼀般に傾度⾵で近似でき,台⾵を取り巻く等圧線に沿った流れとなっているが,⼤気境界層内では地⾯摩擦の影響により中⼼に向かう流れが⽣ずる。」

これはです。

台⾵の中層では傾度風が吹いています。

(図解 台風の科学(上野充,山口宗彦)p.41,図2.2,傾度風と地衡風)

一方、台風の下層では摩擦の影響が加わるため、台風中心に向かう風が吹くようになります。

(図解 台風の科学(上野充,山口宗彦)p.42)

解説 (b)について
「⼀般に,ある地点で時間の経過とともに⾵向が時計回りに変化しているとき,その地点は台⾵の進⾏⽅向の右側にあたる。」

これはです。

下図で台風が①→②→③と進むとき、A地点では風向が「反時計回り」B地点では風向が「時計回り」に変化します。

詳しい解説

台風に向かって吹き込む風は「反時計回り」なので、台風が①にあるとき、A地点では北東風、B地点では南東風が吹きます。

台風が②に進むと、A地点では北風、B地点では南風が吹きます。

台風が③に進むと、A地点では北西風、B地点では南西風が吹きます。

よってA地点での風向は「北東→北→北西(=反時計回り)」に変化します。

同様にB地点での風向は「南東→南→南西(=時計回り)」に変化します。

問題文は「ある地点で時間の経過とともに⾵向が時計回りに変化しているとき」とあるので、図ではB地点になります。

B地点は台風進行方向の右側にあるので、正しいです。

解説 (c)について
「台⾵中⼼付近(ただし,台⾵の眼の中を除く)で,等圧線の接線⽅向の⾵速は,対流圏中層と対流圏界⾯の間の⾼度で最も⼤きくなる。」

これはです。

「対流圏中層と対流圏界⾯の間」は、だいたい高度5~12kmくらいです。

しかし台⾵中⼼付近で風速が最も大きくなるのは高度2~5kmくらいです。よって問題文は誤りになります。

(図解 台風の科学(上野充,山口宗彦)p.45)

解説 (d)について
「台⾵が北上して温帯低気圧に変わりつつある段階では,強⾵域が広がったり,⾵が中⼼から離れた場所で最も強くなったりすることがある。」

これはです。

台⾵は中心付近で風が強いことが特徴ですが、温帯低気圧は中心から離れた所で風が強く吹くことがあります

また、台風としては徐々に勢力が弱まったとしても、温帯低気圧として発達することもあります。よって問題文は正しいです。

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