洪水注意報・警報は、河川の上流域での大雨や融雪によって、下流で生じる増水により洪水害が発生するおそれがあると予想したときに発表されます。
「河川の増水や堤防の損傷、これらによる浸水害」の場合は注意報、「河川の増水・氾濫や堤防の損傷・決壊、これらによる重大な浸水害」の場合は警報です。(参考:気象庁HP)
洪水注意報・警報の発表基準には3つの指数があります。この3つの指数のいずれかに達する予想となった場合に、洪水注意報・警報が発表されます。
- 流域雨量指数基準
- 複合基準(表面雨量指数と流域雨量指数の組み合わせによる基準値)
- 指定河川洪水予報による基準
①流域雨量指数基準
流域雨量指数とは、河川の上流域に降った雨により、どれだけ下流の対象地点の洪水危険度が高まるかを把握するための指標です。
降った雨は、地中に染み込んで地下水となったり、地表面を流れたりして河川に流れ込みます。しかし都市域では地面がコンクリートで覆われているため、ほとんどが地表面を流れます。
地表面が自然の土かアスファルトか、雨水が浸み込みやすい地質かどうかによって、浸透や流出の仕方が変わります。その土地の状態を考慮して、降った雨が河川に流出する様子をモデル化した「タンクモデル」を使用することで流域雨量指数を計算します。
②複合基準(表面雨量指数と流域雨量指数の組み合わせによる基準値)
表面雨量指数とは、短時間強雨による浸水危険度の高まりを把握するための指標です。
降った雨が地表面にどれだけ溜まっているかを、タンクモデルを用いて数値化したものです。
③指定河川洪水予報による基準
指定河川洪水予報とは、あらかじめ指定した河川について、区間を決めて水位または流量を示した洪水の予報です。
指定河川洪水予報に基づいて洪水注意報・警報が発表されることもあります。(参考:気象庁HP)
指定河川洪水予報には4つの種類があります。
(1)氾濫注意情報(洪水注意報&警戒レベル2に相当)
(2)氾濫警戒情報(洪水警報&警戒レベル3に相当)
(3)氾濫危険情報(洪水警報&警戒レベル4に相当)
(4)氾濫発生情報(洪水警報&警戒レベル5に相当)