【第50回】学科専門・問題14(2018年8月試験)

 台⾵によって発⽣する災害について述べた次の⽂(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①〜⑤の中から⼀つ選べ。

  1. (a) 台⾵の接近しやすい夏から秋にかけては,平常時の潮位が1 年の中で最も⾼い時期にあたるため,同じ規模や強さをもった台⾵でも,他の時期に⽐べて⾼潮の災害が発⽣しやすい。

  2. (b) 台⾵が接近する時,暴⾵域から離れていても,進⾏⽅向の右前⽅の範囲では⻯巻が発⽣する可能性が⾼くなるので注意が必要である。

  3. (c) 台⾵に伴って海上から陸上へ向かって強い⾵が吹くと,海⽔の⾶沫が陸上の地物や電線などに付着して塩害が発⽣することがある。⼀般に降⽔量が少ないほど塩害の程度は⼩さい。

  4. (d) 気象庁では,⾼潮による災害が発⽣する恐れがある場合には,天⽂潮位からの差を発表の基準として⾼潮警報・注意報を発表する。

(a) (b) (c) (d)
答え
② 正 正 誤 誤
解説 (a)について
「台⾵の接近しやすい夏から秋にかけては,平常時の潮位が1 年の中で最も⾼い時期にあたるため,同じ規模や強さをもった台⾵でも,他の時期に⽐べて⾼潮の災害が発⽣しやすい。」

これはです。

台風は7月~10月を中心に接近します。

年間の潮位変化を見てみると、7月~10月を中心に高くなります。

潮汐

各年の潮汐,2020年,東京(気象庁)のデータをもとに作成

台風が接近しやすい時期と、潮位が比較的高い時期が重なるため、この時期に台風が接近すると、⾼潮の災害が発⽣しやすくなります。

解説 (b)について
「台⾵が接近する時,暴⾵域から離れていても,進⾏⽅向の右前⽅の範囲では⻯巻が発⽣する可能性が⾼くなるので注意が必要である。」

これはです。

過去の研究により、台⾵が接近する時、「進⾏⽅向の右前⽅の範囲(北東象限)」で「台風の中心から離れた場所」で竜巻は発生しやすいとわかっています。

■参考
第9回 台風と竜巻の関係(NHKそなえる防災)

解説 (c)について
「台⾵に伴って海上から陸上へ向かって強い⾵が吹くと,海⽔の⾶沫が陸上の地物や電線などに付着して塩害が発⽣することがある。⼀般に降⽔量が少ないほど塩害の程度は⼩さい。」

これはです。

⼀般に降⽔量が少ないほど塩害の程度は大きいです。

植物などの「陸上の地物」や、「電線」に付着した塩は、降⽔量が多ければ洗い流されるので、塩害の程度は⼩さくなります。

反対に、降⽔量が少ないと、塩が付着したままになるので、塩害の被害が起こりやすいです。

解説 (d)について
「気象庁では,⾼潮による災害が発⽣する恐れがある場合には,天⽂潮位からの差を発表の基準として⾼潮警報・注意報を発表する。」

これはです。

「天⽂潮位からの差」ではなく、東京湾平均海面を基準として⾼潮警報・注意報を発表しています。

例えば千葉県流山市の場合、高潮警報の基準は以下のように決められています。

図にするとこんな感じです↓↓

天文潮位は、月や太陽の起潮力によって起こります。(例:満潮・干潮。大潮・小潮。)

長期間の観測データがあれば、ある地点の天文潮位は高い精度で予測が可能です。

一方、風や気圧変化といった気象状況でも潮位は変わります

この「気象状況による潮位の変化」と「天文潮位」をあわせた潮位を予測し、東京湾平均海面からどれくらい高くなるか、を計算して、高潮警報・注意報を発表しています。

■参考
潮位表 解説(気象庁)
用語集 > 潮汐観測に関する用語(気象庁)
潮汐の仕組み(気象庁)
気象庁高潮モデルとその利用(気象庁)

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