【第50回】学科専門・問題10(2018年8月試験)

 温帯低気圧の通過に伴う⽇本付近の⼤雪の予報に関して述べた次の⽂(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①〜⑤の中から⼀つ選べ。

  1. (a) 地上気温が0℃前後のときに降る湿った雪やみぞれの場合,降雪量1cm はほぼ降⽔量5mm に対応する。

  2. (b) 地上気温が0℃以上であっても雪となることがあり,同じ気温では湿度が低いほど雪になりやすい。

  3. (c) 地上気温が−2℃〜2℃程度で,降雪と⾵が共に強い場合,電線や架線の着雪害が起こりやすい。

(a) (b) (c)
答え
④ 誤 正 正
解説 (a)について
「地上気温が0℃前後のときに降る湿った雪やみぞれの場合,降雪量1cm はほぼ降⽔量5mm に対応する。」

これはです。

降雪量1cmは、ほぼ降⽔量1mmに対応します。

降雪量(cm)を降水量(mm)で割った値のことを、雪水比といいます。

雪水比=降雪量(cm)/降水量(mm)

気温が0℃前後のとき、雪水比は約1です。

よって「地上気温が0℃前後」「降雪量1cm」の場合、雪水比の関係から降水量は1mmだとわかります。

ちなみに、降雪量1cmで降⽔量5mmだと、雪水比は1/5=0.2となり、雪水比は小さいです。

雪水比が小さい(=降雪量が少ない)ときは、同じ水分量でも雪の量が少ないため、ベチャベチャな雪になります。

雪水比が大きい(=降雪量が多い)ときは、同じ水分量でも雪の量が多いため、フワフワした雪になります。

解説 (b)について
「地上気温が0℃以上であっても雪となることがあり,同じ気温では湿度が低いほど雪になりやすい。」

これはです。

降水があるとき、雪のまま落ちてくるか、雪から雨に変わるかは、気温と湿度によって決まります。

「気温が低いほど」&「湿度が低いほど」、雪のまま落ちてきやすいです。

また、気温が高くても、湿度が低ければ雪のまま落ちてくることもあります。

上図を参考にすると、気温が0℃の時は、ほぼ雪です。

気温が3℃の時は、湿度90%では雨ですが、湿度50%では雪です。

気温が同じでも湿度の低い方が雪になることがわかります。

解説 (c)について
「地上気温が−2℃〜2℃程度で,降雪と⾵が共に強い場合,電線や架線の着雪害が起こりやすい。」

これはです。

着雪とは「湿った雪が電線や樹木などに付着する現象」です。

着雪すると、電線の断線や送電鉄塔の倒壊といった被害が起こるおそれがあります。

北海道は乾いた雪になりやすいですが、北海道では冬の平均気温が-5℃を下回るような所も多いです。

地上気温が-2℃〜2℃というのは、気温としては寒く感じるかもしれませんが、雪水比が小さく「湿った雪」になる気温です。

そのため気温-2℃〜2℃程度は、着雪が起こりやすい条件になります。

また、着雪は風が強いときに起こりやすいです。

風が強いと雪が舞いあげられて、電線や架線に付着しやすくなります。

■参考
着雪を生じる降水の気候学的特徴(松下拓樹,西尾文彦)(日本雪氷学会誌 雪氷)

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