【第50回】学科専門・問題9(2018年8月試験)

 ⾵に関する次の⽂(a)〜(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①〜⑤の中から⼀つ選べ。

  1. (a) 晴れた⽇の⽇中は⽇射によって混合層が発達しやすいので,気圧傾度が同じであれば地上付近の⾵速は夜間より⼤きくなることが多い

  2. (b) ⼭越え気流の⼀つであるおろし⾵が発⽣するとき,その地域の⼤気の成層状態は不安定となっている

  3. (c) 地表⾯の粗度が⼤きいところでは,突⾵率は⼤きくなる

(a) (b) (c)
答え
③ 正 誤 正
解説 (a)について
「晴れた⽇の⽇中は⽇射によって混合層が発達しやすいので,気圧傾度が同じであれば地上付近の⾵速は夜間より⼤きくなることが多い。」

これはです。

混合層は接地境界層の上にあって、空気が混合される層です。特に日射があると対流が起こりやすく、混合層が発達しやすいです。

一般的に、日中は日射によって対流があるので、地表面との間で摩擦が働いて、混合層の風速は弱まります。

混合層より上にある自由大気では、摩擦の影響を受けないので風速が強いです。

夜になると地面が冷えて対流がなくなるので、摩擦の影響を受けず、上層の強い風がそのまま吹くようになります(下図の左)。

一方、上空での風速が高さとともに増大している場合、混合層が発達し、上空の強い風が地表面付近まで降りてくることがあります(図の右)。

よって混合層が発達していると、地上付近の⾵速は夜間より⼤きくなることが多いです。

■参考
日本気象学会,天気論文「大自然の作る熱気球のお話一対流混合層についての分かり易い説明一(高谷美正)」

解説 (b)について
「⼭越え気流の⼀つであるおろし⾵が発⽣するとき,その地域の⼤気の成層状態は不安定となっている。」

これはです。

おろし⾵が発⽣するとき、その地域の⼤気の成層状態は安定となっています。

おろし⾵とは、「気流が山を越えるとき、山の風下側で吹く風」です。

⼤気の成層状態が不安定なときは、対流活動が起こることがあります。

対流活動では空気が鉛直方向に上がったり下がったりするため、気流が山のふもとに吹き降りるのは難しいです。

よって、おろし⾵が発⽣している場合、⼤気は安定しています。

解説 (c)について
「地表⾯の粗度が⼤きいところでは,突⾵率は⼤きくなる。」

これはです。

突風率とは「最大瞬間風速と最大風速の比」のことで、一般的に1.5〜2倍ほどになります。

突風率 = 最大瞬間風速 / 最大風速

「地表⾯の粗度が⼤きい」とは、地面が凸凹していることを表しています。

地面の凸凹が大きいほど、風の強弱が生まれやすいので、突風率は大きくなります。

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