【第50回】学科一般・問題9(2018年8月試験)

積乱雲により形成されるガストフロントについて述べた次の⽂(a)〜(d)の下線部の正誤について,下記の①〜⑤の中から正しいものを⼀つ選べ。

  1. (a) 積乱雲の中で,⼤きな⾬粒やあられやひょうなどの氷粒⼦が落下するときに周りの空気が引きずりおろされる

  2. (b) ⾬粒の蒸発や,あられやひょうなどの氷粒⼦の融解などにより冷却された⼤気が下層にたまることにより,積乱雲の雲底下に局地的な⾼気圧が形成される。

  3. (c) ガストフロントの通過時には,気温,相対湿度,気圧がいずれも低下する

  4. (d) ガストフロントの先端で,新たな積乱雲が形成されることがある

(a)のみ誤り
(b)のみ誤り
(c)のみ誤り
(d)のみ誤り
すべて正しい
答え
③ (c)のみ誤り
解説 ガストフロントについて
発達した積乱雲から冷たい空気が吹き出したときに、前方にある暖かい空気とぶつかることで、小さい前線ができることがあります。

この前線が「ガストフロント」です。

■参考
竜巻などの激しい突風とは(気象庁)
積乱雲にともなう突風―竜巻・ダウンバースト・ガストフロント―(小林文明)

解説 (a)について
「積乱雲の中で,⼤きな⾬粒やあられやひょうなどの氷粒⼦が落下するときに周りの空気が引きずりおろされる。」

これはです。

積乱雲の中では、雨粒・あられ・ひょうなどによって周りの空気が引きずりおろされています。(下図の<最盛期>)

解説 (b)について
⾬粒の蒸発や,あられやひょうなどの氷粒⼦の融解などにより冷却された⼤気が下層にたまることにより,積乱雲の雲底下に局地的な⾼気圧が形成される。」

これはです。

氷粒⼦が融解すると融解熱を奪うので冷えて下降流が強まります。

また、雲底より下では、⾬粒が蒸発することで冷えてさらに下降流が強まります。

冷たい空気は重いので、積乱雲の雲底下には局地的な⾼気圧が形成されることがあります。

これを雷雨性高気圧(メソハイ)と言います。

■参考
気象学入門―天気図からわかる気象の仕組み―(山岸 米二郎)

解説 (c)について
「ガストフロントの通過時には,気温,相対湿度,気圧がいずれも低下する。」

これはです。

気温は低下しますが、相対湿度,気圧は上昇します

ガストフロントの実例(下図)を見てみると、気温は低下、相対湿度は上昇しています。

1996年7月3日,宇都宮地方気象台における自動観測記録(気象庁)
一般気象学(小倉義光),p.209,図8.5

このときの気圧を見ると、気圧は上昇しています。

一般気象学(小倉義光),p.210

解説 (d)について
「ガストフロントの先端で,新たな積乱雲が形成されることがある。」

これはです。

ガストフロントの先端では暖かい空気が強制的に持ち上げられるため、母体の積乱雲とは別に、新たな積乱雲が発生することがあります。

一般気象学(小倉義光),p.211

<< 前の問題

次の問題 >>

-【第50回】2018年8月試験
-

Copyright© 気象予報士試験ドットコム , 2022 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.