【第50回】学科一般・問題10(2018年8月試験)

成層圏にみられる現象について述べた次の⽂(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①〜⑤の中から正しいものを⼀つ選べ。

  1. (a) 南半球の冬季の極渦内では,気温が上昇して,極成層圏雲という特殊な雲が発⽣する。
  2. (b) 南極のオゾンホールは,7⽉頃に発⽣し,10⽉頃には消滅する。
  3. (c) ⾚道域上空の成層圏でみられる準⼆年周期振動において,東⾵から⻄⾵へ,あるいは⻄⾵から東⾵への⾵向の変化は,下層で始まり上層ほど時期が遅くなる。
  4. (d) 北半球の⾼緯度を中⼼に気温が突然に上昇する突然昇温は,対流圏からのプラネタリー波の作⽤により引き起こされる。

  (a) (b) (c) (d)
答え
⑤ 誤 誤 誤 正
解説 (a)について
「南半球の冬季の極渦内では,気温が上昇して,極成層圏雲という特殊な雲が発⽣する。」

これはです。

南半球の冬季の極渦内では、気温は下降します。

「極渦」とは、極域の成層圏で発生する強い西風 (極夜ジェット) に囲まれた巨大な低気圧性の渦です。晩秋から春にかけて発生します。(国立環境研究所より)

極渦内は外の空気と混ざりにくくなり、気温は約-80℃まで下降します。

気温が下降することで、それまでガス状だった大気中の水蒸気や硝酸・硫酸などが粒子化し、雲を形成します。

これが極成層圏雲です。

昭和基地から撮影した南極の上空の特殊な雲(極域成層圏雲)
(第49次南極観測隊撮影)(気象庁HP)

■参考
コラム「PSC(極成層圏雲)と脱窒のメカニズム」(国立環境研究所)

解説 (b)について
「南極のオゾンホールは,7⽉頃に発⽣し,10⽉頃には消滅する。」

これはです。

南極のオゾンホールは、8~9月ごろに発生・発達し、11~12月ごろに消滅します。

■参考
南極オゾンホールとは(気象庁HP)

解説 (c)について
「⾚道域上空の成層圏でみられる準⼆年周期振動において,東⾵から⻄⾵へ,あるいは⻄⾵から東⾵への⾵向の変化は,下層で始まり上層ほど時期が遅くなる。」

これはです。

準⼆年周期振動における⾵向の変化は、上層で始まり下層ほど時期が遅くなります

解説 (d)について
「北半球の⾼緯度を中⼼に気温が突然に上昇する突然昇温は,対流圏からのプラネタリー波の作⽤により引き起こされる。」

これはです。

プラネタリー波は偏西風波動の一種で、大規模な地形の影響により対流圏で発生した波が上空に伝わったものです。

プラネタリー波が成層圏に伝わると蛇行するため、成層圏の温度場を崩して突然昇温が起こることがあります。

■参考
天気の科学(8)成層圏突然昇温(山崎孝治)
成層圏突然昇温について(松野太郎)
成層圏突然昇温と成層圏界面ジャンプ(東京大学,佐藤薫研究所HP)

<< 前の問題

次の問題 >>

-【第50回】2018年8月試験
-

Copyright© 気象予報士試験ドットコム , 2022 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.