【第52回】学科専門・問題15(2019年8月試験)

 図Aは,ある年の1月の平均500hPa 高度(実線)とその平年差(塗りつぶし)であり,図B は,同じ月の平均海面気圧(実線)とその平年差(塗りつぶし)である。このような図のパターンが現れたときの天候の特徴について述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から一つ選べ。

(a) 東日本太平洋側では,平年に比べ降水量が多くなりやすい。

(b) 西日本では,平年より気温が低くなりやすい。

(c) 沖縄・奄美では,平年に比べて晴れの日が多くなりやすい。

  (a) (b) (c)
① 正 正 正
② 正 誤 正
③ 正 誤 誤
④ 誤 正 正
⑤ 誤 正 誤

答え
⑤ 誤 正 誤
解説 (a)について
「東日本太平洋側では,平年に比べ降水量が多くなりやすい。」
 
これはです。東日本太平洋側は、平年よりも降水量が少なくなりやすいです。
 
問題の図は2011年1月の天気図のようです(参考:福岡管区気象台HP)。
図Bより、シベリア高気圧アリューシャン低気圧がともに強く、強い冬型の気圧配置であるとわかります。そのため日本付近には平年より強い北西風が吹きやすかったと推測できます。

2011年1月の対流圏下層大気の概念図 ※黒色矢印は下層大気の大まかな流れを表す

(上図は2つとも福岡管区気象台HPより引用)
 
冬型の気圧配置で北西風が流れ込む場合、風が山にぶつかって、日本海側で雨雲や雪雲が発生しやすくなります。一方、太平洋側には、日本海側で水分を落とした乾いた空気が流れ込みます。よって乾いた空気が流れ込んで、晴れやすくなります。

仙台管区気象台HP

解説 (b)について
「西日本では,平年より気温が低くなりやすい。」
 
これはです。「解説 (a)について」で解説した通り、日本付近は強い冬型の気圧配置だと判断できます。そのため日本付近には平年より強い北西風が吹き、強い寒気が流れ込んだと推測できます。

2011年1月の対流圏下層大気の概念図 ※黒色矢印は下層大気の大まかな流れを表す

(上図は2つとも福岡管区気象台HPより引用)
 
また、500hPa高度と地上気温には以下のような相関があります。
●500hPa高度が偏差=高度場が平年より高い暖かい空気がある=地上は高温
●500hPa高度が偏差=高度場が平年より低い冷たい空気がある=地上は低温
 
図Aより、西日本の500hPa高度場は偏差です。よって平年より気温が低くなりやすいと考えられます。
解説 (c)について
「沖縄・奄美では,平年に比べて晴れの日が多くなりやすい。」
 
これはです。沖縄・奄美では、平年よりも日照不足になりやすいです。
 
沖縄地方では、シベリア高気圧の華中・華南~沖縄地方への張り出しが強い場合、日照不足になりやすいです。
図Bよりシベリア高気圧が沖縄地方まで張り出していることがわかります。よってこの年は平年より晴れの日が少なく、日照不足だったと考えられます。(参考:沖縄気象台HP

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