【第53回】2020年1月試験

【第53回】学科一般・問題10(2020年1月試験)

地球温暖化と海洋の関係について述べた次の文(a)~(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。

  1. (a) 地球温暖化により地球全体で蓄積された熱エネルギーは,大気と海洋でほぼ等分に蓄積されている

  2. (b) 観測された全球平均海面水温の100年あたりの上昇割合は,全球平均地上気温の100年あたりの上昇割合の1/10程度である

  3. (c) 地球温暖化が引き起こす海面水位の上昇の主な原因は,海水の熱膨張と氷床・氷河の融解であると考えられている

(a) (b) (c)
答え
④ 誤 誤 正
解説 (a)について
「地球温暖化により地球全体で蓄積された熱エネルギーは,大気と海洋でほぼ等分に蓄積されている。」

これはです。地球全体で蓄積された熱エネルギーは、ほとんど海洋に蓄積されています。海洋は大気に比べて熱容量が大きいため、大量の熱を蓄積することができます。

解説 (b)について
「観測された全球平均海面水温の100年あたりの上昇割合は,全球平均地上気温の100年あたりの上昇割合の1/10程度である。」

これはです。海面水温の100年あたりの上昇割合は0.55℃、地上気温の100年あたりの上昇割合は0.74℃なので、「1/10程度」は誤りです。

<引用>
海面水温の長期変化傾向(全球平均)(気象庁HP)
世界の年平均気温(気象庁HP)

解説 (c)について
「地球温暖化が引き起こす海面水位の上昇の主な原因は,海水の熱膨張と氷床・氷河の融解であると考えられている。」

これはです。IPCC海洋・雪氷圏特別報告書(2019)より、海面水位の上昇に大きな影響を与える要因には以下のものが挙げられています。

  • 海洋の熱膨張
  • 氷河の変化
  • グリーンランドの氷床と周囲の氷河の変化
  • 南極の氷床と周囲の氷河の変化
  • 陸域の貯水量の変化

<引用>
海面水位の変動要因(気象庁HP)

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