【第51回】2019年1月試験

【第51回】実技2・問3(4)(2019年1月試験)

XX年2⽉4⽇から5⽇にかけての⽇本付近における気象の解析と予想に関する以下の問いに答えよ。予想図の初期時刻は,図5(上)のみ2⽉4⽇9時(00UTC),その他はいずれも2⽉4⽇21時(12UTC)である。

問3. 図8は境(⿃取県境港市)における気象要素の時系列図,図9は5⽇9時〜18時の1時間ごとのレーダーエコー合成図,図10は5⽇16時のアメダス実況図・レーダーエコー合成図である。図9の14時の図に⽰したように,このとき⼆つのメソじょう乱A,Bが存在したことがわかる(それぞれの中⼼を×で⽰す。なお,図9の9時〜15時の図には,じょう乱Aの中⼼を×で⽰す)。図8〜図10を⽤いて,以下の問いに答えよ。

(4)じょう乱Aおよびじょう乱Bの経過について述べた次の⽂章の空欄(①)〜(⑧)に⼊る適切な語句または整数値を答え,空欄(ⓐ)については、空欄に⼊る適切な⽂を25 字程度で答えよ。ただし,①⑥⑦は30分刻みの時刻(⽇本標準時,24 時制),②⑤は16⽅位,③は5の倍数,⑧は「東」または「⻄」のいずれかを答えよ。
 
 Aは⼭陰沖から陸に近づき,(①)頃,中⼼が海岸線に到達した。中⼼が⼭陰地⽅の海岸線に到達する直前の1時間におけるAの移動⽅向は(②),速さは約(③)km/hである。Aはその後,⼭陰地⽅の内陸ヘ進⼊して(④)した。
 
 Bは,14時には⼭陰沖の海上にあったが,その後(⑤)へ進み,(⑥)頃,中⼼が⼭陰地⽅の海岸線に到達した。Bが境に最接近した時刻は(⑦)頃である。最接近の前後で境の( ⓐ )ことから,B の中⼼は境の(⑧)側を通過したとみられる。
 
図8
図9
図10
答え
①13時 ②南東(東南東) ③35(30) ④消滅
⑤南南東 ⑥16時 ⑦15時30分 ⑧東
ⓐ風向が西南西から北北西に,時計回りに変わった (22 字)
解説 ①~④について
①について
図9を見ると、じょう乱Aの中心が海岸線に達するのは「13時」だとわかります。
 
②について
①より「中⼼が⼭陰地⽅の海岸線に到達する直前の1時間」は12時から13時です。
この時間のAの移動方向を図9から読み取ると「南東」です。
 
③について
じょう乱図の中心が1時間で何km移動したかを求めます。図9より定規で長さを測って求めていきます。
図9における北緯35°から36°の長さは16mmです。緯度1°は約111kmです。
12時と13時のじょう乱Aの中心位置の間を測ると5mmです。
比例計算すると、
16:5=111:X
→X≒35
なので、正解は「35」km/hです。
 
④について
図9を見ると、15時まではじょう乱Aの中心が書かれていますが、16時以降は書かれていません。13時ごろに海岸線に到達した後、15時までは中心が解析できたけど、その後じょう乱A自体が消滅したため、中心位置が書かれていないと推測できます。よって正解は「消滅」です。
解説 ⑤~⑧,ⓐについて
⑤⑥について
(3)で16時のじょう乱Bの中心位置を求めましたが、ちょうど海岸線に到達する所でした。また14時から16時の移動方向を読み取ると南南東です。
よって正解は⑤「南南東」、⑥「16時」です。
 
⑦について
⑤⑥より、じょう乱Bの中心は境の近くを通った後に、海岸線に到達したと考えらえます。なので16時の直前で目星を付けます。さらに問題文に「30分刻みの時刻」で答えるよう指示があるので、15時30分だと推測できます。
 
図8を見ると15時30分に海面気圧が最低になっているので、正解は「15時30分」で問題ないと判断できます。
⑧ⓐについて
問題文に「⑧は「東」または「⻄」のいずれかを答えよ」とあるのと、⑤⑥の解答の図から、⑧は「」が正解です。
 
ただⓐの答えに、⑤⑥の解答の図(=(3)の解答)を根拠にするのは厳しいので、「じょう乱Bの中心が境の東側を通過した理由」を別に考えます。
 
じょう乱(≒台風や低気圧)が通過するときにどの方角を通ったかは、風向変化で読み取ることができます。(参考:下図)
図8より、15時30分ごろの風向変化を読み取ると、15時30分は西南西、15時40分は北北西だとわかります。
よってⓐの正解は「風向が西南西から北北西に,時計回りに変わった」といった感じです。

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