【第50回】学科専門・問題6(2018年8月試験)

 コストロスモデルの考えに基づいた降⽔確率予報の利⽤に関する次の⽂章の空欄(a)〜(c)に⼊る適切な数および数式の組み合わせを,下記の①〜⑤の中から⼀つ選べ。ただし,確率予報の信頼度は100%であるものとする。

 数値予報の確率情報の有効な利⽤⽅法として,ある⼤気現象による損失を防ぐために対策を施した場合にかかる費⽤(コスト)と,何も対策を施さなかった場合に被る損失(ロス)の合計を基に,経済効果の観点からどのような対策を施すべきかを判断する⽅法がある。
 今,降⽔対策を施す場合の1 回あたりのコストを100,対策を⾏わなかった場合のロスを500 とし,降⽔確率がA%である予報が10 回出たものとする。
 この10 回の事例で降⽔対策を施した場合のコストの合計は(a)であり,降⽔対策を全く施さなかった場合のロスの合計は(b)である。したがって,(c)の場合に降⽔対策を施すと,何も対策を施さなかった場合よりもコストとロスの合計が少なく,経済効果が⼤きいと期待される。

(a) (b) (c)
5000 10×A A<50
5000 10×A A>50
1000 10×A A>10
1000 50×A A<20
1000 50×A A>20
答え
⑤ 1000 50×A A>20
解説 (a)について
「この10 回の事例で降⽔対策を施した場合のコストの合計は(a)であり,」

これは1000です。

問題文より「1 回あたりのコストは100」「事例は10 回」ということがわかります。

コストが100かかる降⽔対策を10回施しているので、コストの合計は

100 × 10回 = 1000

となります。

解説 (b)について
「降⽔対策を全く施さなかった場合のロスの合計は(b)である。」

これは50×Aです。

問題文より「対策を⾏わなかった場合のロスは500」「降⽔確率がA%である予報が10 回出た」ということがわかります。

ここから、具体的な数字を使って考えていきたいと思います。

例えば、ある日の降⽔確率が30%の場合、この日のロスは以下の通りです。

500 × 30% = 500 × 30/100 = 150

「降⽔確率が30%である予報が10 回出た」とすると、10回分のロスは以下の通りです。

500 × 30% × 10回 = 500 × 30/100 × 10回 = 1500

よって「降⽔確率がA%である予報が10 回出た」場合は、

500 × A% × 10回 = 500 × A/100 × 10回 = 50×A

となります。

解説 (c)について
(c)の場合に降⽔対策を施すと,何も対策を施さなかった場合よりもコストとロスの合計が少なく,経済効果が⼤きいと期待される。」

これはA>20です。

(a)より、10 回すべてで降⽔対策を施した場合、かかるコストは「1000」です。

(b)より、降⽔対策を全く施さなかった場合のロスの合計は「50×A」です。

コストよりロスのほうが大きくなってしまうと、経済的に損します

よって「コスト < ロス」であれば、経済効果が⼤きいです。

以上より(c)を求めると、

 コスト < ロス
⇔ 1000 < 50×A
⇔ 20 < A

となり、降水確率が20%より大きい場合に降⽔対策を施すと、何も対策を施さなかった場合よりもコストとロスの合計が少なくなります。

ちなみに、④「A<20」と⑤「A>20」で迷ったときは、具体的な数字で考えるといいと思います。

④「A<20」では、仮にA=10とします。

A=10のときのロスの合計は「50×10=500」です。

⑤「A>20」では、仮にA=30とします。

A=30のときのロスの合計は「50×30=1500」です。

10 回すべてで降⽔対策を施した場合にかかるコストは「1000」なので、降水確率が30%のときは降⽔対策を施したほうが良いとわかります。

よって「A>20」のときは降⽔対策を施したほうが良いとわかります。

■参考
確率予報の利用方法(コストロスモデル)(気象庁)

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