【第66回】実技2・問題1(2026年8月試験)

問題

XX年6月1日から2日にかけての日本付近における気象の解析と予想に関する問題です。予想図の初期時刻は、図6を除き、いずれも6月1日21時(12UTC)です。問1では、図1(地上天気図)、図3(気象衛星画像)、図4(福岡の状態曲線)、図5(500hPa・850hPa天気図)、図6(850hPa相当温位・風などの予想図)を用いて、1日21時の台風と停滞前線を解析します。

第66回実技2 図1 地上天気図と図2 西日本および東海地方の地形図(6月1日21時)
第66回実技2 図3 気象衛星画像 赤外画像と水蒸気画像(6月1日21時)
第66回実技2 図4 福岡の状態曲線(6月1日21時)
第66回実技2 図5 500hPa天気図と850hPa天気図(6月1日21時)
第66回実技2 図6 850hPa相当温位・風などの予想図と図7 850hPa相当温位・風の予想図

(1) 気象概況の穴埋め

沖縄本島付近には(①)台風があって(②)へ11ノットで進み、最大風速50ノットは約(③)m/s。台風には(④)警報が発表されている。三陸沖には(⑤)警報の対象となる低気圧の発生が予想され、(⑥)時間後の予想位置が予報円で示されている。那覇では前(⑦)時間の気圧変化量が(⑧)hPa、現在天気は(⑨)しゅう雨で、雲は(⑩)。チェジュ島では中層に高層雲または(⑪)が観測されている。

(2) 台風の雲画像の特徴

①赤外画像を用いて、台風中心から300海里以内の雲分布の特徴を、中心の両側を対比させる構成で40字程度で述べます。②水蒸気画像を用いて、台風の今後の盛衰に関連すると考えられる最も注目すべき特徴を、中心からの方角を付けて答えます。

(3) 前線と状態曲線

①東経130°〜135°で850hPa面の前線との対応が最も良い等温線と等相当温位線の値、②福岡の状態曲線から、地表面に隣接する絶対安定な気層の上端の高さと、その高さの空気塊を持ち上げたときの自由対流高度・浮力のなくなる高度、③対馬海峡〜東日本の白く明るい雲域の成因(60字程度)を答えます。

答え

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(1)

空欄答え空欄答え
①大型の⑦3
②北北東⑧−5.4
③25⑨並又は強の
④海上暴風⑩積乱雲
⑤海上強風⑪乱層雲
⑥24

(2)

① 南東側には発達した団塊状の対流雲が広く分布し、北西側には発達した対流雲は少ない。

② 台風の北西側の暗域

(3)

① 等温線:15℃、等相当温位線:339K

② 絶対安定な気層の上端:850hPa、自由対流高度:730hPa(720・740)、浮力のなくなる高度:380hPa(360・400)

③ 相当温位339K以上の暖湿な空気が、25〜35ノットの南西風により停滞前線に向かって流入し、前線面で上昇したため。

解説

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(1) 地上天気図の英文と記号を読む

  • ①:英文の「OVER 30 KT WITHIN 350 NM S-SEMICIRCLE」から、強風域(風速15m/s以上)の半径は最大350海里(約650km)です。強風域の半径が500km以上800km未満なので大型の台風です。
  • ②:「NNE 11 KT」から北北東へ進んでいます。
  • ③:1ノット≒0.514m/sなので、50ノット≒25.7m/s → 5刻みで25m/sです。
  • ④⑤:台風付近の[SW]は海上暴風警報、三陸沖の「New L (EXPECTED)」付近の[GW]は海上強風警報です。
  • ⑥:予報円に付いた「021200Z」は2日21時で、初期時刻から24時間後です。
  • ⑦⑧:天気図の気圧変化量は前3時間の値で、那覇の「−54」は−5.4hPaを表します(0.1hPa単位)。
  • ⑨⑩⑪:那覇の現在天気記号は並又は強のしゅう雨、下層雲の記号は積乱雲です。チェジュ島の中層雲の記号は、厚い高層雲または乱層雲を表します。

(2) 台風の雲画像

① 赤外画像では、台風中心の南東側に白く輝く(雲頂高度の高い)団塊状の対流雲が広がる一方、北西側には発達した対流雲が少なく、雲分布が非対称になっています。

② 水蒸気画像では、台風の北西側に明瞭な暗域(中上層の乾燥域)が迫っています。乾燥した空気が台風の循環に取り込まれると対流活動が抑えられるため、台風の衰弱につながる注目すべき特徴です。

(3)① 前線に対応する等値線

850hPa面の前線は、等温線・等相当温位線が混んでいる帯(集中帯)の南縁(暖気側)に対応します。図5(下)と図6で東経130°〜135°の範囲を見ると、地上の停滞前線と最もよく対応するのは15℃の等温線と339Kの等相当温位線です。

(3)② 福岡の状態曲線

福岡では地表付近から850hPaまで、気温減率が湿潤断熱減率より小さい絶対安定な気層になっています(前線の北側で、下層に冷たい空気がある)。

850hPaの空気塊を断熱的に持ち上げると、ほぼ飽和しているためすぐに湿潤断熱線に沿って上昇し、約730hPaで周囲の気温を上回り(自由対流高度)、約380hPaで再び周囲と等しくなって浮力がなくなります。地表付近の空気ではなく、前線面の上の空気が持ち上げられることで対流が起こり得る状態です。

(3)③ 雲域の成因

図6では、相当温位339K以上の暖かく湿った空気が、25〜35ノットの南西風によって停滞前線に向かって流れ込んでいます。この空気が前線面(下層の冷気の上)を滑昇して上昇し、②で見た不安定な成層とあいまって、団塊状の雲を含む発達した雲域が形成されています。

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備考

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