問題
成層圏の大気の変動について述べた次の文(a)〜(d)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを選択する問題です。
(a) 北極周辺の成層圏を中心に気温が短期間に急激に上昇する成層圏突然昇温は、北極周辺で東風が卓越する寒候期に発生する。
(b) 赤道域上空の成層圏でみられる準二年周期振動において、東風から西風へ、あるいは西風から東風への風向の変化は上層で始まり、時間がたつにつれて下層に降りてくる。
(c) 1月の北半球の成層圏上部にしばしば現れるアリューシャン高気圧は、対流圏からのプラネタリー波の伝播を要因として発生する。
(d) 1979年から2020年までの観測によれば、対流圏が昇温しているのに対して、成層圏では気温が低下する傾向がみられる。
| 選択肢 | (a) | (b) | (c) | (d) |
|---|---|---|---|---|
| ① | 正 | 正 | 誤 | 正 |
| ② | 正 | 誤 | 正 | 誤 |
| ③ | 誤 | 正 | 正 | 正 |
| ④ | 誤 | 正 | 誤 | 誤 |
| ⑤ | 誤 | 誤 | 正 | 正 |
答え
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③ a:誤 b:正 c:正 d:正
解説
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(a)について
この記述は誤りです。冬季(寒候期)の北極周辺の成層圏は、極夜で日射がなく強く冷却されるため、西風(極夜ジェット)が卓越しています。
成層圏突然昇温は、対流圏から上方へ伝播してきたプラネタリー波によって、この西風が弱まったり東風に変わったりするのに伴い、極域の気温が数日で数十℃も上昇する現象です。「東風が卓越する寒候期」ではありません。
(b)について
この記述は正しいです。赤道上空の成層圏では、東風と西風が約2年(平均約28か月)の周期で交代する準二年周期振動(QBO)がみられます。風向の変化は上層から始まり、時間とともに下層へ伝わっていきます(1か月に約1kmの速さ)。
(c)について
この記述は正しいです。冬季の北半球成層圏上部では、極渦が極からずれ、アリューシャン列島付近の上空に高気圧(アリューシャン高気圧)がしばしば現れます。これは、対流圏で大規模な山岳や海陸の熱的コントラストによって励起されたプラネタリー波が成層圏へ伝播することによって生じます。
(d)について
この記述は正しいです。1979年以降の衛星観測などによると、温室効果ガスの増加に伴い対流圏は昇温している一方、成層圏では気温が低下する傾向がみられます。
二酸化炭素などの温室効果ガスが増えると、成層圏では宇宙空間への赤外放射による冷却が強まります。1990年代半ばまではオゾン層の減少も成層圏の低温化に寄与しました。
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