【第66回】学科一般・問題7(2026年8月試験)

問題

2通りの水平風の分布A、Bについて、水平発散・相対渦度・温度傾度の強化の有無を判断する問題です。

下図A、Bは、温度と水平風の二通りの水平分布を、x軸を東向き、y軸を北向きにとり、軸の交点を原点(x=0、y=0)として示したものである。温度は、A、Bのいずれにおいても、破線の等温線で示すようにy方向に温度傾度があり、x方向には等温である。また、水平風は、x成分をu、y成分をvとし、正の定数cを用いてそれぞれ式(1)、(2)で与えられる。このとき、A、Bにおける風の水平発散、相対渦度、風による温度傾度の強化の有無を示した表の空欄(a)〜(d)に入る語句の組み合わせとして正しいものを選ぶ。

第66回学科一般問7の図 水平風の分布AとB

A:u = cx、v = −cy …(1)
B:u = 0、v = cx …(2)

水平発散相対渦度温度傾度の強化
A(a)(b)有り
B無し(c)(d)
選択肢(a)(b)(c)(d)
①有り有り無し有り
②有り無し有り有り
③無し有り無し無し
④無し無し有り有り
⑤無し無し有り無し

答え

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④ a:無し b:無し c:有り d:有り

解説

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使う式

  • 水平発散:D = ∂u/∂x + ∂v/∂y
  • 相対渦度:ζ = ∂v/∂x − ∂u/∂y

(a) Aの水平発散

u = cx、v = −cy より、∂u/∂x = c、∂v/∂y = −c です。

D = c + (−c) = 0 となるので、水平発散は無しです。東西方向に広がる分だけ南北方向から流れ込んでおり、発散と収束が打ち消し合っています。

(b) Aの相対渦度

vはxを含まず、uはyを含まないので、∂v/∂x = 0、∂u/∂y = 0 です。

ζ = 0 − 0 = 0 となり、相対渦度は無しです。Aは回転も発散もない変形場(伸長変形)の流れです。

なお、Aでは南北から等温線に向かって空気が集まる(v = −cy により北側では南向き、南側では北向きの風)ため、等温線の間隔が狭まり温度傾度が強化されます。表の「有り」はこのことを示しています。

(c) Bの相対渦度

u = 0、v = cx より、∂v/∂x = c、∂u/∂y = 0 です。

ζ = c − 0 = c(>0) となり、相対渦度は有り(正=反時計回り)です。Bは東ほど南風が強いシアー(ずれ)のある流れです。

ちなみに水平発散は ∂u/∂x + ∂v/∂y = 0 + 0 = 0 で、表のとおり「無し」です。

(d) Bの温度傾度の強化

Bでは北が低温、南が高温です。x>0(東側)では南風によって暖気が北へ運ばれ(暖気移流)、x<0(西側)では北風によって寒気が南へ運ばれます(寒気移流)。

その結果、東側の等温線は北へ、西側の等温線は南へずれていき、等温線は傾きながら間隔が狭まります。式で表すと、

  • d(∂T/∂x)/dt = −(∂v/∂x)(∂T/∂y) = −c(∂T/∂y) → ∂T/∂y<0 なので東西方向の温度傾度が時間とともに大きくなる
  • d(∂T/∂y)/dt = −(∂v/∂y)(∂T/∂y) = 0 → 南北方向の温度傾度は変わらない

となり、温度傾度の大きさは全体として大きくなります。したがって温度傾度の強化は有りです。

以上より、(a)無し、(b)無し、(c)有り、(d)有りとなり、正解は④です。

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