【第65回】学科一般・問題7(2026年1月試験)

問題

気圧傾度が一定の同心円状の低気圧において、傾度風平衡が成り立つときの半径方向の風速分布を、地衡風速Vgと比較して選択する問題です。

北半球の水平面上に、下の図のように等圧線が同心円で、半径方向の気圧傾度が中心からの距離によらず一定の低気圧がある。風は中心に対して反時計回りの方向に吹いており、傾度風平衡が成立している。このとき図に示す円の半径上の2つの地点A、Bを結ぶ線に沿った風速の分布を実線で示した図として適切なものを選ぶ。ただし、図中のVg(破線)は半径方向の気圧傾度から計算される地衡風速を示している。また、図の範囲の水平面上で空気の密度及びコリオリパラメータは一定とする。

第65回学科一般問7の図 同心円状の低気圧と地点A・Bを結ぶ線に沿った風速分布の選択肢①〜⑤

答え

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⑤(風速はVgより小さく、Aで小さくBに向かって大きくなりVgに近づく)

解説

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傾度風の釣り合い

低気圧の周りを反時計回りに吹く傾度風では、中心向きの気圧傾度力と、外向きのコリオリ力および遠心力が釣り合っています。風速をV、中心からの距離をr、コリオリパラメータをfとすると、

気圧傾度力 = fV + V2/r

です。一方、地衡風速Vgは気圧傾度力とコリオリ力だけの釣り合いで決まるので、気圧傾度力 = fVg です。これを代入すると、

fVg = fV + V2/r

V と Vg の大小

上の式で遠心力V2/rは正なので、fV < fVg、すなわちV < Vgです。低気圧性の傾度風は、遠心力が気圧傾度力の一部を打ち消すため、地衡風より弱くなります(亜地衡風)。この時点で、V>Vgとなっている①②③は除外されます。

AからBへの変化

気圧傾度が一定なのでVgはどこでも同じです。式を変形すると、

Vg − V = V2 / (fr)

  • 中心に近いA(rが小さい)では、遠心力の効果が大きく、VはVgよりかなり小さくなります(r→0ではV→0)。
  • 中心から離れたB(rが大きい)では、遠心力の効果が小さくなり、VはVgに近づきます(r→∞でV→Vg)。

つまり風速は、Vgより小さい範囲で、Aで最も小さく、Bに向かって大きくなりながらVgに漸近します。この分布を示しているのは⑤です。

④はV<Vgを満たしますが、Bに向かって風速が小さくなっており、遠心力の効果が中心から離れるほど小さくなることと矛盾します。

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