【第65回】学科一般・問題6(2026年1月試験)

問題

北半球における慣性振動について述べた文章の空欄(a)〜(c)に入る語句と数式の組み合わせとして正しいものを選択する問題です。

慣性振動とは気圧傾度力が働かない水平面上でコリオリ力と遠心力が釣り合った状態の空気塊の運動である。慣性振動では空気塊は円を描くように運動し、この円の半径をr、運動の速さをV、コリオリパラメータをfとすると、力の釣り合いから fV = V2/r が成り立つ。この釣り合いを満たす円運動は北半球においては (a) となる。また、この円運動の周期は (b) である。コリオリパラメータが緯度に依存するために、慣性振動の周期は、高緯度では低緯度に比べ (c) なる。

選択肢(a)(b)(c)
①時計回り2π / f短く
②時計回りf / 2π長く
③反時計回り2π / f短く
④反時計回り1 / f長く
⑤反時計回りf / 2π長く

答え

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① a:時計回り b:2π / f c:短く

解説

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(a)について

北半球では、コリオリ力は運動の向きに対して右向きに働きます。慣性振動では、このコリオリ力が円運動の中心を向く力(向心力)となり、外向きの遠心力と釣り合います。

進行方向の右側に常に中心がある円運動は時計回りです。したがって(a)は「時計回り」です。(気圧傾度力が働かないため、低気圧性・高気圧性といった気圧配置とは関係なく、空気塊は常に右へ曲がり続けます。)

(b)について

力の釣り合い fV = V2/r より、

r = V / f

円周の長さ2πrを速さVで1周する時間が周期Tなので、

T = 2πr / V = 2π(V/f) / V = 2π / f

となり、(b)は2π / fです。周期は速さVによらず、コリオリパラメータfだけで決まります。f/2πは周期ではなく振動数(の次元)であり、1/fは周期の1/(2π)にあたります。

(c)について

コリオリパラメータは f = 2Ωsinφ(Ω:地球の自転角速度、φ:緯度)で、高緯度ほど大きくなります。周期T = 2π/f はfに反比例するので、慣性振動の周期は高緯度ほど短くなります。

T = 2π / (2Ωsinφ) = (12時間) / sinφ と書け、極(φ=90°)では約12時間、北緯30°では約24時間となります。

以上より、(a)時計回り、(b)2π / f、(c)短く、となり正解は①です。

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備考

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