【第65回】学科一般・問題5(2026年1月試験)

問題

積雲が白く見える・空が青く夕焼けが赤い・気象レーダーで降水を観測できる、という3つの事象に関連する電磁波の波長と散乱体の大きさの組み合わせを選択する問題です。

大気中の気体分子や粒子による電磁波の散乱に関連する以下の事項A〜Cについて、それぞれに関連する代表的な電磁波の波長および散乱体の大きさを下の表にまとめた。この表の中の空欄(a)〜(c)に入る数値の組み合わせとして適切なものを選ぶ。

A 晴れた日の昼間に積雲が白く見える。
B 晴れた日の昼間に空が青く見え、夕方になると西の空が赤く見える。
C 気象レーダーによって、降水を観測できる。

電磁波の波長散乱体の大きさ
A(a)(b)
B(a)10−4〜10−3 μm
C(c)1〜5 mm
選択肢(a)(b)(c)
①0.3〜0.8 μm10−4〜10−3 μm3〜10 cm
②0.3〜0.8 μm1〜10 μm3〜10 cm
③1〜10 μm1〜10 μm3〜10 cm
④1〜10 μm10−4〜10−3 μm1〜5 mm
⑤3〜10 cm1〜5 mm1〜5 mm

答え

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② a:0.3〜0.8 μm b:1〜10 μm c:3〜10 cm

解説

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(a)について

A(積雲が白く見える)とB(空が青い・夕焼けが赤い)は、いずれも私たちの目に見える太陽光、すなわち可視光線の散乱による現象です。可視光線の波長はおよそ0.38〜0.77μmなので、(a)は0.3〜0.8μmが適切です。

1〜10μmは赤外線の領域であり、目で見る色の現象には当てはまりません。

(b)について

積雲を構成する雲粒の半径は、およそ数μm〜10μm程度です。そのため(b)は1〜10μmが適切です。

雲粒の大きさは可視光線の波長と同程度かそれより大きく、このような粒子による散乱はミー散乱と呼ばれます。ミー散乱では散乱の強さが波長にあまり依存しないため、すべての色の光がほぼ同じように散乱され、雲は白く見えます。

一方、Bの散乱体である空気分子の大きさは10−4〜10−3μmと波長よりはるかに小さく、このときの散乱はレイリー散乱です。レイリー散乱の強さは波長の4乗に反比例するため、波長の短い青い光が強く散乱されて空は青く見えます。夕方は太陽光が大気中を長い距離通過する間に青い光が散乱されて失われ、残った赤い光が届くため西の空が赤く見えます。

(c)について

気象レーダーは、マイクロ波を発射して雨滴などから戻ってくる電波(反射・散乱波)を受信します。気象庁の気象レーダーで用いられるCバンドの波長は約5.6cm、Xバンドは約3cm、Sバンドは約10cmで、(c)は3〜10cmが適切です。

降水粒子(1〜5mm)は波長に比べて十分に小さいため、レイリー散乱の近似が成り立ち、受信電力は粒子の直径の6乗に比例します。これを利用して降水強度を推定しています。

事象電磁波の波長散乱体の大きさ散乱の種類
A 積雲が白い0.3〜0.8 μm(可視光)1〜10 μm(雲粒)ミー散乱
B 空が青い・夕焼け0.3〜0.8 μm(可視光)10−4〜10−3 μm(空気分子)レイリー散乱
C 気象レーダー3〜10 cm(マイクロ波)1〜5 mm(降水粒子)レイリー散乱

以上より、正解は②です。

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備考

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