【第65回】学科一般・問題4(2026年1月試験)

問題

暖かい雨における雲粒や降水粒子の生成について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを選択する問題です。

(a) 水溶性エーロゾルは、純水の水滴に溶け込むと、その水滴の表面に対する飽和水蒸気圧を増加させる働きをする。

(b) 凝結過程による雲粒の成長はゆっくりとしか進まないので、雲粒が地上に落下する大きな雨滴に成長するには併合過程が重要となる。

(c) 水滴が併合して成長する過程では、一般に水滴が大きく成長するにつれ単位時間の半径の増加量は小さくなる。

選択肢(a)(b)(c)
①正正正
②正誤正
③誤正正
④誤正誤
⑤誤誤誤

答え

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④ a:誤 b:正 c:誤

解説

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(a)について

この記述は誤りです。水溶性エーロゾル(海塩粒子や硫酸塩粒子など)が水滴に溶け込むと、水面の一部を溶質が占めて水分子が蒸発しにくくなるため、溶液滴の表面に対する飽和水蒸気圧は純水の場合より低くなります(溶質効果)。

微小な水滴は曲率効果によって飽和水蒸気圧が高くなり成長しにくいのですが、溶質効果がこれを打ち消すため、水溶性エーロゾルは凝結核としてよく働きます。

(b)について

この記述は正しいです。凝結(水蒸気の拡散)による成長では、半径rの増加速度はおよそ1/rに比例するため、雲粒が大きくなるほど成長は遅くなります。半径10μm程度の雲粒にはすぐに成長しますが、半径1mm程度の雨滴にまで凝結だけで成長するには非常に長い時間がかかります。

そのため、暖かい雨では、落下速度の異なる水滴どうしが衝突して合体する併合過程によって雨滴まで成長することが重要です。

(c)について

この記述は誤りです。併合過程では、大きな水滴ほど断面積が大きく、落下速度も大きいため、単位時間に衝突・捕捉する雲粒の量が急激に増えます。その結果、単位時間あたりの半径の増加量は、水滴が大きくなるにつれて大きくなります。

成長過程半径の増加速度特徴
凝結過程大きくなるほど遅くなる(∝1/r)小さな雲粒の段階で有効
併合過程大きくなるほど速くなる大きな雨滴への成長で有効

凝結過程と併合過程で、成長の速さの傾向が逆になる点がポイントです。

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備考

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