【第53回】2020年1月試験

【第53回】学科専門・問題2(2020年1月試験)

気象庁で使⽤している電波や光を利⽤した観測機器(a)〜(c)と,これらを⽤いて⾏う観測対象ア〜オの組み合わせとして適切なものを,下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

〔観測機器〕
(a) ドップラーレーダー
(b) ブリューワー分光光度計
(c) シーロメーター

〔観測対象〕
ア: 降⽔強度分布
イ: 上空の⾵向・⾵速
ウ: 雲底の⾼さ
エ: 上空の⽔蒸気量
オ: 上空のオゾン量

(a) (b) (c)
答え
② ア オ ウ
解説 (a)ドップラーレーダー
これは降⽔強度分布が正解です。

ドップラーレーダーは、レーダーから発射された電波が雨粒や雪粒にぶつかって、電波が戻ってくるまでの時間を計ることで、降水強度を観測しています。

気象レーダーは全国20か所に設置されていますが、すべてドップラーレーダーです。

気象レーダーはドップラー効果を利用して風の観測をすることもできます。そのため、この時点では①~④に絞ると良いと思います。

解説 (b)ブリューワー分光光度計
これは上空のオゾン量が正解です。

分光光度計は、太陽光の波長強度を測定する機械です。オゾンに吸収されやすい波長の紫外線と、 吸収されにくい波長の紫外線の強度を測定することで、上空のオゾン量を観測しています。

この時点で、選択肢は②と④に絞られると思います。

解説 (c)シーロメーター
これは雲底の⾼さが正解です。

シーロメーターとは「雲高測定器」のことです。上空にレーザー光を発射して、雲にぶつかって戻ってくるまでの時間を計って、雲底の高さを観測しています。

よって答えは「②ア オ ウ」です。

シーロメーターは聞き慣れないかもしれません。

「(b)ブリューワー分光光度計」を「オ:上空のオゾン量」だと特定して、「ドップラーレーダー(気象レーダー)といえば、風よりも降水強度かなぁ」と推定すると正解できそうです。

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