【第66回】学科専門・問題5(2026年8月試験)

問題

気象庁で運用しているアンサンブル予報について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを選択する問題です。

(a) 決定論的予測で予測が難しい現象は、アンサンブル予報でも予測が難しいが、複数メンバーの予測結果から現象の発生や強度などが確率的に捉えられる場合がある。

(b) アンサンブル予報の各メンバー個別の予測精度は、統計的には、摂動を与えていないコントロールラン単独の予測精度より劣る。

(c) メソアンサンブル予報では、初期値や側面境界値に摂動を与えるほか、物理過程に起因する予測の不確実性を考慮するための摂動を与えている。

選択肢(a)(b)(c)
①正正正
②正正誤
③正誤誤
④誤正正
⑤誤誤誤

答え

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① a:正 b:正 c:正

解説

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(a)について

この記述は正しいです。1つの初期値から1通りの予測を行う決定論的予測で予測が難しい現象(局地的な大雨など)は、アンサンブル予報でも難しいことに変わりはありません。

ただし、少しずつ異なる複数のメンバーの予測を比べることで、「何割のメンバーが大雨を予測しているか」といった形で、現象の発生や強度の可能性を確率的に捉えられる場合があります。

(b)について

この記述は正しいです。コントロールランは、解析値(最も確からしい初期値)をそのまま用いた予測です。各メンバーは解析値に摂動(誤差の幅程度のずれ)を加えた初期値から計算するため、メンバー1つ1つの予測精度は、統計的にはコントロールラン単独より劣ります。

一方、全メンバーの平均であるアンサンブル平均は、予測のばらつきが打ち消し合うため、統計的にはコントロールランより精度が高くなります。

(c)について

この記述は正しいです。メソアンサンブル予報システム(MEPS)では、初期値と側面境界値に摂動を与えるだけでなく、積雲対流や雲物理などの物理過程に起因する予測の不確実性を表現するための摂動も与えています。

用語内容
コントロールラン摂動を与えない初期値からの予測
メンバー摂動を与えた初期値などからの個々の予測
アンサンブル平均全メンバーの平均。統計的に最も精度が高い
スプレッドメンバー間のばらつき。予測の信頼度の目安
備考

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