【第66回】実技1・問題2(2026年8月試験)

問題

XX年1月12日から14日にかけての日本付近における気象の解析と予想に関する問題です。予想図の初期時刻は、いずれも1月12日9時(00UTC)です。問2では、図5〜図7(24・36・48時間予想図)と図3を用いて、トラフの移動、850hPaの温度移流、日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)の予想を読み取ります。

第66回実技1 図5 24時間予想図(13日9時)
第66回実技1 図6 36時間予想図(13日21時)
第66回実技1 図7 48時間予想図(14日9時)

(1) トラフの予想位置

図3(上)でアムール川上流にあるトラフは、48時間後には日本の東に進むと予想されています。このトラフの24時間後と36時間後の予想位置を図5(上)・図6(上)で求め、トラフが5220mの等高度線と交わる経度を1°刻みで答えます。

(2) 地点アの850hPa温度移流

①図6(左下)で、36時間後の地点アにおける850hPa面の温度移流の種類と、それによる気温の変化率(1℃/h刻み、符号付き)を答えます。②図5〜図7で、24時間後から48時間後にかけての地点アの温度移流の強弱の変化を、(1)のトラフとの位置関係を含めて35字程度で述べます。

(3) JPCZ

図6(右下)では、朝鮮半島の東側の付け根付近から北陸地方にかけてJPCZに対応する気圧の谷が予想されています。①JPCZ付近の700hPa鉛直流と850hPa気温の分布の特徴(30字・20字程度)、②地点イ・ウの地上風の風向(8方位)と風速の大きい地点、③JPCZの動向に関する空欄㋐〜㋒、④48時間後の対流活動が36時間後に比べて弱いと考えられる根拠(35字程度)を答えます。

答え

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(1)

24時間後:東経125°(126°)、36時間後:東経134°(133°)

(2)

① 温度移流の種類:寒気移流、気温の変化率:−1℃/h

② 寒気移流が続き、トラフの最も接近する36時間後に移流が最も強くなる。

(3)

① 鉛直流分布の特徴:JPCZに沿って概ね上昇流域となり、上昇流は東ほど強い。
気温分布の特徴:JPCZに沿って概ね温度場の尾根(相対的な高温域)となる。

② 地点イの風向:北、地点ウの風向:西(北西)、風速の大きい地点:ウ

③ ㋐北 ㋑38(37) ㋒近畿北部〜中国地方

④ JPCZ付近では地上風の収束が弱まり(地上の気圧の谷が浅まり)、700hPaで下降流となるため。

( )内は別解として認められている値・語句です。

解説

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(1) トラフの位置の求め方

500hPaのトラフは、等高度線が低緯度側へ大きく張り出している所(低気圧性の曲率が最大の所)を結んで解析します。正渦度の極大域(網掛け域の中心)の並びも手がかりになります。図5(上)・図6(上)でトラフを引き、5220mの等高度線と交わる経度を読むと、24時間後は東経125°付近、36時間後は東経134°付近になります。

初期時刻(アムール川上流)→ 24時間後 → 36時間後 → 48時間後(日本の東)と、トラフが東南東へ進んでいく流れと矛盾しないかも確認しましょう。

(2)① 温度移流の求め方

地点アでは、850hPaの風が等温線を低温側から高温側へ横切って吹いているため寒気移流です。気温の変化率は次の手順で求めます。

  • 地点アを挟む2本の等温線の温度差(3℃)と、等温線に直交する方向の間隔(km)を測る
  • 地点アの風速(ノット→km/h)のうち、等温線に直交する成分を求める
  • 変化率 = −(直交成分の風速)×(温度差 ÷ 等温線の間隔)

これを計算すると約1℃/hとなり、寒気移流なので符号は負の−1℃/hです。

(2)② 温度移流の変化とトラフの関係

トラフの後面(西側)では北西風によって寒気が運ばれます。地点アは24時間後〜48時間後を通して寒気移流が続きますが、トラフが最も接近する36時間後に、風速・等温線の混み具合とも大きくなり、寒気移流が最も強くなります。トラフが東へ抜けた48時間後には寒気移流は弱まります。

(3)① JPCZ付近の鉛直流と気温

JPCZは、朝鮮半島北部の山岳を迂回した2つの寒気の流れが日本海でぶつかって生じる収束帯です。下層収束に対応して、JPCZに沿って700hPaでは上昇流域となり、上昇流は東(本州寄り)ほど強くなっています。

また、JPCZ付近では活発な対流による潜熱の放出や、海面からの熱の供給を受けた空気が集まるため、850hPaの気温はJPCZに沿って温度場の尾根(相対的な高温域)になっています。

(3)② 地点イ・ウの地上風

JPCZの北側では北よりの風、南側では西よりの風が吹き、両者が収束しています。JPCZの北側にある地点イは北、南側にある地点ウは西の風で、矢羽根の数から風速はウの方が大きくなっています。

(3)③ JPCZの動向

図5(右下)の24時間後の地上気圧の谷を図6と比べると、東経130°線上ではほぼ同じ位置ですが、それより東では36時間後より北に位置し、東経135°線上では北緯38°付近です。図7の48時間後には、気圧の谷は朝鮮半島の東側の付け根付近から近畿北部〜中国地方にかけてのび、JPCZは南下する予想です。

(3)④ 48時間後に対流活動が弱いと考えられる根拠

図7では、JPCZ付近の地上の等圧線の折れ曲がりが小さく(気圧の谷が浅く)、地上風の収束が弱まっています。また、700hPaではJPCZ付近が下降流域となっています。下層収束と上昇流が弱まることから、対流活動は36時間後に比べて弱いと判断できます。

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備考

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