【第65回】学科一般・問題1(2026年1月試験)

問題

大気中のオゾンについて述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを選択する問題です。

(a) 成層圏では、酸素分子が紫外線を吸収して光解離し、そこで生じる酸素原子が他の酸素分子と結合することでオゾンが生成される。

(b) 成層圏のオゾンの空間分布やその季節変化は、太陽放射の強さの緯度分布やその季節変化でほぼ説明できる。

(c) 北半球の高緯度では、オゾン全量(地表から大気上端までの単位面積の気柱に含まれるオゾンの総量)は、太陽放射が極大となる夏に最も大きくなる。

選択肢(a)(b)(c)
①正正誤
②正誤正
③正誤誤
④誤正正
⑤誤誤誤

答え

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③ a:正 b:誤 c:誤

解説

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(a)について

この記述は正しいです。成層圏では、波長約240nm以下の強い紫外線を酸素分子(O2)が吸収して2個の酸素原子(O)に光解離します。生じた酸素原子が別の酸素分子と結合(第三の分子Mが関与)してオゾン(O3)が生成されます。

  • O2 + 紫外線 → O + O
  • O + O2 + M → O3 + M

生成されたオゾンは、さらに紫外線を吸収して分解され、生成と分解の釣り合いによってオゾン層が維持されています。

(b)について

この記述は誤りです。オゾンの生成が最も盛んなのは、太陽放射の強い低緯度の成層圏上部です。もし太陽放射の強さだけで分布が決まるなら、オゾン全量は低緯度で最大になるはずです。

しかし実際には、オゾン全量は低緯度で少なく、中・高緯度で多くなっています。これは、低緯度で生成されたオゾンが成層圏の大規模な子午面循環(ブリューワー・ドブソン循環)によって高緯度へ運ばれ、高緯度の下部成層圏に蓄積されるためです。このように、オゾンの分布や季節変化には大気の輸送が大きく関わっており、太陽放射の分布だけでは説明できません。

(c)について

この記述は誤りです。北半球高緯度のオゾン全量は、夏ではなく冬の終わりから春(2〜4月頃)に最大となります。

冬季には成層圏の子午面循環が強まり、低緯度から高緯度へのオゾンの輸送が活発になるため、高緯度ではオゾンが蓄積されて春先に極大となります。夏から秋にかけては輸送が弱まり、オゾン全量は減少します。

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備考

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