【第64回】学科一般・問題11(2025年8月試験)

問題

気象庁が公表している日本域の気候の長期変動の評価結果について述べた次の文(a)〜(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを選択する問題です。

(a) 日本国内の気象庁の観測点における大気中の二酸化炭素の濃度は2010年代に500ppmを超え、さらに上昇が続いている。

(b) 1901年から2024年までの期間に観測された降水量の統計では、日降水量が100mm以上の日数と日降水量が1mm未満の日数はいずれも有意に増加している。

(c) 1908年以降のデータによると、日本近海の全海域を平均した年平均海面水温は、100年あたり2℃以上の割合で上昇している。

選択肢(a)(b)(c)
①正正正
②正誤誤
③誤正正
④誤正誤
⑤誤誤誤

答え

答えを見る

④ a:誤 b:正 c:誤

解説

解説を見る

(a)について

この記述は誤りです。気象庁は国内の綾里(岩手県)、南鳥島、与那国島の3地点で大気中の二酸化炭素濃度を観測しています。いずれの地点でも濃度は年々増加を続けていますが、2010年代に超えたのは400ppmであり、近年の年平均値は420ppm前後です。500ppmにはまだ達していません。

工業化以前(1750年頃)の濃度は約280ppmとされており、そこから約1.5倍に増加しています。

(b)について

この記述は正しいです。気象庁の評価では、日本の降水には次のような長期変化傾向がみられます。

  • 大雨の日数(日降水量100mm以上、200mm以上の日数)は有意に増加しています。
  • 一方、日降水量1.0mm以上の日数(降水日数)は有意に減少しており、裏返すと日降水量1.0mm未満の日数(いわゆる無降水日の日数)は有意に増加しています。

つまり、雨が降る日は減る一方で、降るときには強い雨となる傾向があり、大雨と無降水日がともに増えるという、降水の極端化が進んでいることを示しています。なお、年降水量そのものには統計的に有意な長期変化傾向はみられません。

(c)について

この記述は誤りです。気象庁の解析によると、日本近海の全海域平均の年平均海面水温は、100年あたり約1.3℃の割合で上昇しています。これは世界全体の年平均海面水温の上昇率(100年あたり約0.6℃)よりも大きく、日本の年平均気温の上昇率と同程度ですが、2℃以上ではありません。

なお、海域別にみると上昇率には違いがあり、日本海中部などでは日本近海平均よりも大きな上昇率となっています。

以上より、a:誤、b:正、c:誤となり、正解は④です。

おすすめの参考書

学科一般の内容を基礎から確認したいときは、次の2冊が役立ちます。

備考

本記事に掲載している試験問題は、「一般財団法人 気象業務支援センター」様の許可を得て使用しています。
解説は当サイト運営者が独自に作成したものであり、同センターとは一切関係ございません。
なお、本記事の内容に基づいて生じた損害等について、当サイトは責任を負いかねますのでご了承ください。