【第65回】学科専門・問題3(2026年1月試験)

問題

気象レーダーの仰角3.5°のレーダーエコー(図A)と、エコーの高度とレーダーからの距離の関係(図B)をもとに、ブライトバンドについて述べた文章の下線部(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを選択する問題です。

2月のある日に、千葉県柏市にある気象庁の気象レーダーで観測した仰角3.5°のレーダーエコーを図Aに示した。図Bは、この時のレーダーエコーの高度とレーダーからの距離の関係を示したものとする。これらの図について述べた次の文章の下線部(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを選べ。

上空では雪片であった降水粒子が、落下して周囲の気温が0℃となる高度付近(融解層)に達すると、(a) 雨滴よりも粒子が大きく、固体(雪)の表面が液体で覆われている「みぞれ」の状態となる。降水粒子には、(b) 固体の状態よりは液体の状態の方が、また粒子が大きい方が、気象レーダーの電波をよく反射する性質がある。このため、仰角一定のレーダーエコーには、融解層の高度に対応する強い環状のエコーが観測され、「ブライトバンド」と呼ばれる。
図Aと図Bから、この時の融解層の上端の高さはおよそ(c) 2500mと見積もられる。仮にこの後、ブライトバンドの半径が時間の経過と共に(d) 小さくなる場合は、融解層の高度が低下していることを示し、低い標高の地域でも雨から雪に変わる可能性が高くなる。

第65回学科専門問3 図A 柏の気象レーダーの仰角3.5°のレーダーエコーと図B エコー高度とレーダーからの距離の関係
選択肢(a)(b)(c)(d)
①正正正正
②正正誤正
③正正誤誤
④正誤誤正
⑤誤誤正誤

答え

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② a:正 b:正 c:誤 d:正

解説

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(a)について

この記述は正しいです。雪片は融解層で表面から融け始め、表面が水の膜で覆われた濡れた雪片(みぞれ)になります。この段階では、まだ融けきって小さな雨滴になる前なので、雨滴よりも粒子が大きい状態です。

(b)について

この記述は正しいです。レーダー反射因子は粒子の直径の6乗に比例し、また水の誘電率に関係する係数は氷の約5倍あるため、液体の方が、また粒子が大きい方が電波を強く反射します。融解層では「大きくて表面が水で覆われた粒子」が存在するため、上下の層より反射強度が強くなり、これがブライトバンドとして現れます。

(c)について

この記述は誤りです。仰角一定の観測では、レーダーから遠いほどビームの高度が高くなるため、一定高度にある融解層はレーダーを中心とした環状のエコーとして現れます。融解層の上端はリングの外縁に対応します。

図Aの距離スケールで測ると、強いエコーのリングの外縁はレーダー(×印)からおよそ15〜18km程度の距離にあります。図Bでこの距離に対応する高度を読むとおよそ1000〜1200mとなり、融解層の上端は2500mよりかなり低いと見積もられます。図Bで高度2500mに対応するのは距離約40kmで、リングの位置とは合いません。

(d)について

この記述は正しいです。ブライトバンドの半径が小さくなるということは、より近い距離、すなわちより低い高度で融解が起きていることを意味します。融解層(0℃高度)が低下すれば、雪が融けきらずに地上に達しやすくなり、標高の低い地域でも雨から雪に変わる可能性が高くなります。

備考

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