大気の力学 気象の知識

傾度風【大気の力学】

傾度風

地衡風平衡に遠心力の影響を加味した力を傾度風といいます。

地衡風は、等圧線がまっすぐのときに吹く風です。

低気圧や台風のように等圧線がカーブする場合は、遠心力の影響も加味する必要があります。

遠心力がどのように影響するかは、高気圧と低気圧の場合で異なります。

高気圧の場合

  • 気圧傾度力:中心 → 外側(高気圧から低気圧に向かって働く力だから)
  • コリオリ力:外側 → 中心(気圧傾度力とバランスするように働く力だから)
  • 遠心力:中心 → 外側(円の外側に向かって働く力だから)

3つの力がバランスをとっているので、矢印の向きより以下の式が成り立ちます。

コリオリ力)=(気圧傾度力)+(遠心力

地衡風平衡のとき(気圧傾度力)=(コリオリ力)です。

そのため高気圧の傾度風は、地衡風に遠心力がプラスされたことになります。

よって「地衡風 < 傾度風」です。

低気圧の場合

  • 気圧傾度力:外側 → 中心(高気圧から低気圧に向かって働く力だから)
  • コリオリ力:中心 → 外側(気圧傾度力とバランスするように働く力だから)
  • 遠心力:中心 → 外側(円の外側に向かって働く力だから)

3つの力がバランスをとっているので、矢印の向きより以下の式が成り立ちます。

コリオリ力)+(遠心力)=(気圧傾度力

⇔(コリオリ力)=(気圧傾度力)ー(遠心力

地衡風平衡のとき(気圧傾度力)=(コリオリ力)です。

そのため低気圧の傾度風は、地衡風に遠心力がマイナスされたことになります。

よって「地衡風 > 傾度風」です。

遠心力

遠心力は回転している空気塊にはたらく力です。

回転する円の外側にむかってはたらきます。遠心力の式と大きさは以下の通りです。

傾度風の式

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