地球⼤気の組成について述べた次の⽂(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1 つ選べ。
(a) 対流圏内において、窒素、酸素、アルゴンの 3 種類の気体が乾燥空気に占める⽐率(体積⽐)は、99.9%以上となっている。
(b) ⾼度80km 以下では、乾燥空気の平均分⼦量は⾼度によらずほぼ⼀定である。
(c) 対流圏の空気の平均分⼦量は、⽔蒸気の混合⽐が⼤きいほど⼤きくなる。
(a) | (b) | (c) | |
① | 正 | 正 | 正 |
② | 正 | 正 | 誤 |
③ | 誤 | 正 | 誤 |
④ | 誤 | 誤 | 正 |
⑤ | 誤 | 誤 | 誤 |
② a:正 b:正 c:誤
⾼度80km までの大気では対流活動が起こり、空気はよく混合されています。そのため(a)で示した大気組成の割合は一定で、平均分子量(約28.96 g/mol)もほぼ一定です。
よって(b)は正です。
より詳しく
分子量(分子の重さ)とは、その分子が持つ原子の合計質量です。
たとえば水蒸気(H₂O)は、
・水素(H)が2個 × 約1 g/mol = 約2g/mol
・酸素(O)1個 × 約16 g/mol = 約16g/mol
⇒ 合計で 約18 g/mol になります。
続いて、水蒸気を除いた乾燥空気の平均分子量を考えます。乾燥空気の主な成分は以下のとおりです。
成分 | 体積比(%) | 分子量(g/mol) | 割合に対する影響 |
---|---|---|---|
窒素(N₂) | 約78% | 約28.02 | 主成分 |
酸素(O₂) | 約21% | 約32.00 | 重めの成分 |
アルゴン(Ar) | 約0.93% | 約39.95 | 重い成分 |
二酸化炭素(CO₂) | 約0.04% | 約44.01 | 重い成分 |
これらの成分の組み合わせで、乾燥空気の平均分子量は 約28.96 g/mol に保たれています。
・水蒸気の分子量:約18 g/mol
・乾燥空気の平均分子量:約28.96 g/mol
⇒ 水蒸気のほうが分子量が小さいため、⽔蒸気の混合⽐が⼤きいほど軽い成分が増えて、平均分子量は小さくなります。
よって(c)は誤です。