【第54回】学科一般・問題5(2020年8月試験)

霧について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

  1. (a) エーロゾルの有無は霧の発生に影響を及ぼさない。

  2. (b) 初夏に釧路沖で発生する海霧は、海面水温より冷たい空気が、オホーツク海などから流れてきて発生することが多い。

  3. (c) 放射霧は雲の少ない夜間から明け方にかけて発生しやすいが、風が強いと発生しにくい。

  4. (d) 温暖前線に伴い長時間降雨があり、地表面近くに湿った冷気があるところへ、上空の暖気から比較的高温の雨粒が落下して蒸発すると、前線霧が発生することがある。

  (a) (b) (c) (d)
答え
⑤ 誤 誤 正 正
解説 (a)について
「エーロゾルの有無は霧の発生に影響を及ぼさない。」

これはです。

霧とは「微小な浮遊水滴により視程が1km未満の状態」です。(予報用語,気象庁HP

空気中に含まれる「水蒸気(気体、目に見えない)」は、気温が下がって飽和に達すると「水滴(液体、目に見える)」になります。

清浄な空気では飽和に達してもなかなか水滴になりませんが、空気中にエーロゾルがあると、エーロゾルを核として水滴になることができます。

よってエーロゾルの有無は霧の発生に影響するので、(a)はです。

<参考>
降水過程:1.エーロゾルと凝結核(気象の知識)
降水過程:2.過飽和と表面張力(気象の知識)

解説 (b)について
「初夏に釧路沖で発生する海霧は、海面水温より冷たい空気が、オホーツク海などから流れてきて発生することが多い。」

これはです。

初夏に釧路沖で発生する海は、
「海面水温:暖かい、空気:冷たい」ではなく、
「海面水温:冷たい、空気:暖かい」のパターンで発生します。

冷たい水面や地面の上に、暖かい空気が流れ込んで、水面や地面によって冷やされることで発生する霧を移流霧といいます。

初夏に釧路沖で発生する海霧

(左図:気象庁HPの図を加工)

移流霧と蒸気霧

問題文にあるような「海面水温より冷たい空気が流れ込んでできる霧」は蒸気霧です。

「海面水温:暖かい、空気:冷たい」パターンで発生します。

移流霧と蒸気霧の模式図は以下の通りです。

<参考>
釧路の霧(釧路倶楽部)

解説 (c)について
「放射霧は雲の少ない夜間から明け方にかけて発生しやすいが、風が強いと発生しにくい。」

これはです。

夜間に雲が少ないと、地面から熱がどんどん放出します(放射冷却)。

熱が逃げて地面付近が冷えるので、空気中の水蒸気が凝結して霧が発生します。

このとき、風が強いと空気がかき混ぜられてしまうので、冷えた空気は地面付近に溜まりません。

そのため水蒸気の凝結が起こりにくくなって、霧は発生しづらくなります。

解説 (d)について
「温暖前線に伴い長時間降雨があり、地表面近くに湿った冷気があるところへ、上空の暖気から比較的高温の雨粒が落下して蒸発すると、前線霧が発生することがある。」

これはです。

問題文はそのまま前線霧の発生を説明しています。

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