【第51回】2019年1月試験

【第51回】学科専門・問題9(2019年1月試験)

 図は,北陸地方で山雪型または里雪型の降雪分布が現れたときの地上天気図,500hPa解析図,および気象衛星可視画像であり,それぞれの降雪分布に対応する図 A,B が順不同に並んでいる。この中で,山雪型の降雪分布が現れたときの図の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から一つ選べ。

  地上天気図 500hPa解析図 気象衛星可視画像
A A B
A B A
B A A
B B A
B B B
答え
④ B B A
解説 地上天気図について
日本海側に大雪をもたらすパターンとして、「山雪型」と「里雪型」があります。
各パターンの特徴は以下の通りです。

■山雪型
・山間部で大雪になりやすい。
・西高東低の気圧配置で等圧線が南北に走り、等圧線の間隔が狭い。

■里雪型
・平野部で大雪になりやすい。
・西高東低の気圧配置圧で、等圧線が日本海で袋状に湾曲した形になる。
 →袋状の部分に上空の寒気が溜まっている。

地上天気図を見ると、Aは等圧線が袋状に湾曲しています。Bは等圧線が南北に走るような配置です。

よってAが「里雪型」、Bが「山雪型」です。

解説 500hPa解析図について
500hPa解析図を見ると、Aは日本の西側にトラフ&寒冷渦、Bは日本の東側にトラフがあります。

Aのように、日本海のあたりに寒冷渦(寒気のかたまり)があるのは「里雪型」の特徴です。

Bのように、日本の東側にトラフがあると、日本付近は北西流場となって寒気が流れ込みやすくなります。これは「山雪型」の特徴です。

地上天気図と照らし合わせても、地上天気図Bの気圧配置は寒気移流が強いため、500hPa解析図のBと対応すると推測できます。

解説 気象衛星可視画像について
Aの衛星画像は筋状の雲が見られます。

太平洋側まで筋状の雲ができるほど、強い寒気移流が流れ込んできているとわかります。強い寒気移流は「山雪型」の特徴です。

Bの衛星画像はAのような明瞭な特徴がなく、消去法で「里雪型」と判断します。

筋状の雲ができる仕組み

上空に強い寒気が流れ込むと、相対的に暖かい海との間で温度差が生じるため対流が起こります。

そのため上昇気流のところでは雲が発生します。発生した雲が風に流されて、筋状の雲になります。

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